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Subject: [ ChangeLog ] ver 0.1.19990606.2418mx
From: "ChangeLog"
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Date: Mon, 07 Jun 1999 00:18:56 +0900
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ChangeLog
号外: ESR in 京都!
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目次
・ESR in 京都!
( http://www.ChangeLog.net/log/1999/special/esr/ ) (coming soon)
・ESR インタビュー(前半)
・ESR 京都講演(講義ノート)
・その他
・カーネル
・セキュリティ
・ディストリビューション
・デベロップメント
・ビジネス
・アナウンス
・読者の方から
※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
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・ESR インタビュー(前半)
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Eric S. Raymond 氏 (ESR) はオープンソースプロジェクトの幾つ
かを自ら率いているばかりでなく、OSI (Open Source Initiative)
の代表としてオープンソース界とビジネス界とのインターフェース
として活躍されている方です。論文「伽藍とバザール」の発表は業
界に多大な影響を及ぼし、Netscape 社のソースコード公開の引き
金にもなりました。
以下は、5月28日 京都産業大学(日本語)情報教育システム見学ツアー
(日本語)と同時開催された、Eric Raymond 氏京都講演
の際に実施したインタビューの前編です。(後日後編も公開する予定です。)
インタビューの場所と時間を確保し調整して下さった、よしだ様、
Peterson 様、樋口様、開原様、並びに、
Eric Raymond 京都講演実行委員会の方々(日本語)、
事前にアドバイスをいただいた、笹川様、力武様、本当にありがとうございました。
当日参加させていただいた京都産業大学の情報教育システム見学ツ
アーでは、数百台の液晶端末が並ぶ大計算機室において、管理者一
人の遠隔操作による並列計算のデモが行われ、正に圧巻でした。
(ESR も絶賛していました。)
京都産業大学情報教育システム
未来を感じさせる次世代情報教育環境と言い、豊かな自然環境と調
和する建築の概観と言い、日本で屈指の教育施設と言えるのではな
いでしょうか。
そんな最先端の教育現場において、熟慮の結果、Linux と FreeBSD
というオープンソース OS が本格的に大量に導入された。(既に昨
年末の Linux Conference(日本語)で予告されていたとは言え)間違いなく
今年の Linux 界の象徴的な事件の一つと言えるでしょう。上手く
言い表せませんが、今後が楽しみですね。
Eric S. Raymond 氏とのインタビューは、講演の前、京都産業大学
の静かな一室をお借りして行われました。
----------------------
ChangeLog:
まず始めに、世界中が今か今かと待っている次回作「魔法の大釜」
がいつ公開されるのか教えていただけませんか?
※「魔法の大釜」(The Magic Cauldron) …
かねてから予告されていた
・「伽藍とバザール」(日本語)(The Cathedral and the Bazaar)
・「ノウアスフィアの開墾」(日本語)(Homesteading the Noosphere)
に続く、ESR 最新作。
ESR:
もう後 2〜3週間のうちに公開するよ。
実は、僕のコンピュータに最終バージョンになると思っているもの
がもう、あるんだ。だから、後 2〜3週間のうちに公開できると思
うよ。
ChangeLog:
その論文では、企業がソフトウェアを販売することによって直接的
に利益を得るのではなく、オープンソースにすることによって利益
を上げる方法が明らかにされると聞いておりますが、、、
ESR:
そのことも含まれているよ。
でも、論文は、そのことについてだけではないんだ。
そういうアイデアについても確かに書いてあるけどね。
その論文で明らかにしたことの一つは、
8つのビジネスモデルについてのことなんだ。
そのうち 6 つは、実世界でオープンソースソフトウェアから実際
に利益を得ている実例があるものなんだ。
だから、うん、その点についても書いているよ。
でも、論文はそれだけじゃないんだ。
ChangeLog:
あなたの「伽藍とバザール」には、
Netscape 社が最も影響を受けた企業だと言えますよね。
「魔法の大釜」によって最も影響を受ける企業はどこでしょう?
ESR:
まだ公開していないから、わからないよ。:-)
ChangeLog:
そうですね。:-)
でも最も影響を受けそうだと予測している企業があったら、
是非(こっそり :-)教えていただけませんか?
その会社の株を買っておきたいので、、、:-)
ESR:
なるほど :-)
うーん、今頭に浮かぶ企業といえば、IBM だね。
OSI が今、あることについて交渉しているから。
詳細については今、明らかにすることはできないけど、
近い将来、IBM から面白いアナウンスがある、とだけは言っておけるよ。
(参考)
ChangeLog:
IBM から助言を求められたりされたのですか?
ESR:
うん、求められたよ。
今、話せないけど、いろいろ議論していることがあるんだ。
直接今度の「魔法の大釜」に関係あることではないけれど、ある製
品にどのようなライセンスを使用するかについて、IBM と話し合っ
ているんだ。
IBM はそれをオープンソース(英語)としてリリースすることを考えている
んだ。
だから、今僕は、その使い方について話し合いをしているんだ。
----------------------
ChangeLog:
あなたは 3月の LinuxWorld でのパネルディスカッション(日本語)で司会を
されていましたね。司会としての仕事で忙しく時間がなくて、言え
なかったことなどありませんか?
※ ChangeLog にパネルの日本語訳があります。
ESR:
言っとくけど、あの仕事はかなり大変だったんだぜ。 :-)
普通のパネルディスカッションの司会をやればいいと思っていたの
に、コンファレンスの主催者が、まさか 6,000人規模のロックコン
サートにしてしまうなんて、全然予測してなかったんだ。
6,000人もの人が、それぞれ言いたいこと言ってたら、
真面目なディスカッションなんて出来やしない。:-)
うん、あれは、大変だった。
ChangeLog:
そのパネルディスカッションに臨む前に、何かこれは言っておこう
と思っていらっしゃったことなどありましたか?
※元々は ESR の講演として予定されていた時間でしたが、
土壇場で急遽(きゅうきょ)パネルディスカッションに変更された、
という経緯(いきさつ)がありました。
ESR:
僕の、あのディスカッションでの目的は、パネルの人達、つまりオー
プンソース界でも最も重要なリーダー達が、この 1年間にオープン
ソース運動が実現するべきであることについて話し合ってもらうこ
とだったんだ。
※ パネルのメンバーは、ESR の他に、Larry Wall 氏(Perl)、
Richard Stallman 氏(FSF)、Guido van Rossum 氏(Python)、
Linus Torvalds 氏(Linux)、という錚錚(そうそう)たるメ
ンバーによって行われました。聴衆との質疑応答もなされ、
Bruce Perence 氏(元 Debian、元 OSI、OSD(英語)の原作者)も登場
しました。
そして実際に目標を見つけることができ、今彼らもそれに取り掛かっ
ているよ。
ChangeLog:
ディスカッションのテーマは、「革命の継続」についてでしたね。
ESR:
そう。「次は何か」だった。
ChangeLog:
そして、次の9ヶ月間、つまり今年中に何がなされるべきか、が話
し合われましたね。あれから 3ヵ月経ちましたが、目標に変化はあ
りますか?
ESR:
あのパネルで確認された目標のうち一つは、オープンソースソフト
ウェアの教育への導入を増やすことだった。
京都産業大学のデモ(日本語)をさっき見学してきたんだけど、この目標が実
現されている、ということだね。今のところ、スケジュール通り、
ということじゃないかな? :-)
----------------------
ChangeLog:
あなたは、日本文化と武道に興味をもっていらっしゃるそうですね。
※ ESR は、講演の翌日、京都・奈良を実行委員会の方々と一緒に
散策され、非常に楽しい時を過ごしたようです。詳しい様子は、
実行委員会のページ(日本語)から辿れる、中元崇さんのレポート
(日本語、写真付)でご覧になれます。また、ESR 自身もあまりに感
慨深かったため、Eric's adventures in Japan (仮称)をまとめ
るんだそうで、意気込んでいらっしゃいました。
ESR:
そう。合気道を習っているんだ。
すっごく初心者だけどね。1ヵ月前に始めたばかりだから。
でも、その前に、空手を 9年習ってた。
初段を持ってるよ。
※こちら(英語)の合気道の道場に通われているそうです、、、
(興味のある方のために、念のため。:-)
ChangeLog:
空手を先に習って、それから合気道を始められたということですか。
ESR:
そうだよ。
空手を習ってから、合気道を始めた。
その方が、逆より良い方法だと思うよ。
空手は比較的単純で、合気道はより複雑で安定した技術が必要だか
ら。
ChangeLog:
ハッカーとして、また OSI(英語)の代表としての活動において、日本文
化や合気道による影響を受けていると感じることがありますか?
ESR:
どういう風に影響を受けてるのかは、ちょっと分からないな。
でも、武道は米国のハッカーの間では非常に一般的だよ。
そう言う意味から言うと、僕は特別ではないんだ。
米国一般的に見ても、武道はもう珍しいことではないけど、
他の人達と比べても、ハッカーには特に武道をやっている人が多いね。
このことは既に 1991年に、僕の「新ハッカー辞典」(英語)の中で明らか
にされているよ。「典型的なハッカーは武道に興味がある。」
あれから 8年経つけど、このことは、より証明されつつあると思うね。
ChangeLog:
「空手ハッカー :-)」の数が増えている、ということですか?
ESR:
そう。増えていると思うね。
ChangeLog:
Larry Wall 氏(Perl)が日本にいらっしゃった時、
「プログラマのための合気道」について言及(日本語)について言及されていました。
合気道には様々な型があり、それらの最善の組み合わせを考えて相
手と闘いますが、それがプログラミングに通じるところがあるそう
ですね。
ESR:
うん。ちなみに Larry とは仲が良いんだ。
僕がプログラミングと武道に共通していると思うのは、
両方共、他のことではあまり要求されないような、
精神の鍛練のようなものを必要とするということなんだ。
つまり、(自分の頭を指さして)ここに必要とされることが似てい
るんだ。
このことが多くのプログラマを惹き付けているんだと思うね。
ChangeLog:
9年も空手をされているということは、
あなたがハッカーコミュニティ内で最強なのでは?
ESR:
(非常に照れながら)
いやあ、そうは思わないよ。
おそらく違うね。(笑)
ChangeLog:
では、Tove とあなたでは、どちらの方が強いですか?
ESR:
(手をたたいて爆笑)
おお、おそらく彼女だ。
彼女。
(何故かやや興奮気味)
自分の国で 6回もチャンピオンになったことないからね、僕は、彼女のように。
おそらく彼女の方が優れた空手家に違いないね。
※ Tove は、Linus の奥さんです。
今年 2 月 Linus は、バレンタインデーリリースになるだろ
うと予告していたものが一日遅れた時の釈明として、
「妻に殺されまいとする超人的努力の結果、
最新リリースを1日遅らせることにした。」
とのアナウンスを投稿されていました :-) (Linux-Kernel ML(英語))
(※ 今年のバレンタインデーはちょうど日曜日でしたから、
家族でどこかに外出して、ゆっくりとした休日を過ご
した、ということでしょうか。)
ESR 作(山形氏訳)の Halloween IV(日本語)もご覧下さい。
ChangeLog:
あなたの護身術、空手や銃(英語)、が完璧だということは承知しておりますが、
もしあなたがバスにひかれてしまったりしたら、どうなるのでしょう?
ESR:
死ぬね。カルマ(宿命)だ。(笑)
※ ESR は銃の愛好家でもあります。
ESR 結婚秘話…
ESR が Cathy (奥さん)と婚姻届を出しに行ったときのこと。
二人とも銃の愛好家だったため、その届けも同時に出しに行く
ことにしました。
二人にとっては勿論、婚姻届がメインイベントでした。
しかし、途中会った役所のガードマンには二人が手に持ってい
る書類の内、銃の届けだけが目に入りました。
そして、ESR の肩に手をかけ、二人を交互に見ながらこうアド
バイスをしました。
「やめておけよ、そんなこと。今ならまだ間に合うぜ。」
ChangeLog:
えぇっと、この質問は Linus の FAQ になっていて、
「Linus がバスにひかれたりしたら、Linux はどうなっちゃうの?」(日本語)
というものですが、あなたとオープンソース運動の場合はどうですか?
もしあなたが突然事故にでも遇ったら、Linux やオープンソース
界は、外部からの FUD(日本語) に押し潰されてしまいませんか?
先週 Microsoft は、Linux 対策チーム発足(日本語)させましたね。
ESR:
ああ、そういうことなら、別の答えがあるよ。
僕が OSI(英語)を設立した理由の一つは、
僕が今までに学んだことを引き継いで貰って、
それをさらに他の人々に教授していってもらう、
ということなんだ。
そうすれば僕がトラックにひかれた(英語)としても、
この組織によって仕事は継続されることが可能になるから。
つまり僕が代替不可能にならなくても良いように、というのも OSI
の存在理由の一つなんだ。
----------------------
ChangeLog:
あなたは、「バイナリのみで配布される(プロプライエタリー(非
自由)な)ソフトウェアはコミュニティにとって問題だ」という
Stallman 氏 (RMS)(英語) の意見に賛成ですか?
ESR:
ノー。
ソフトウェアがオープンであることが経済的意味を持つような状況
もあるし、ソフトウェアがクローズドであることが経済的意味を持
つような状況もあると思う。
クローズドであることが経済的意味を持つような状況、というのは
多くはないと思うけど。
クローズドにした方が良いと思っている人に、オープンにすること
を強制するなんてことには僕は全然興味が無いんだ。
もし、オープンにする方が上手く行くのなら、
みんなそのことを理解するようになるだろうからね。
そして実際、みんなそれを実行するようになるんだ。
人々を教育するのが僕の仕事なんだ。
無理やりオープンソース運動に加えたりすることはしないよ。
ChangeLog:
将来的に、バイナリのみの(プロプライエタリーな)
ソフトウェアベンダも生き残ると思いますか?
つまり、サポート等を売るのではなく、ソフトウェアそのものを売
るビジネスもなくならないと思いますか?
ESR:
なくならないだろうね。
業界全体での割合は、今と比べるとずっと減るとは思うけど。
将来的には、僕は 5 〜 15 %のソフトウェアがクローズドになると
予測しているんだ。
そして、インフラストラクチャのレベルであるすべてのソフトウェ
ア、つまり、OS や ネットワーク関連のソフトウェア等がオープン
になることは確かだと思うけど、でも、クローズドなソフトウェア
も、きっと存在していると思うよ。
そして、そのことは全然、僕を思い悩ませるようなことではないんだ。
ChangeLog:
オープンであること以外に、あなたの「良いソフトウェア」の
条件とは何ですか?
ESR:
僕の「良いソフトウェア」の定義は、
何はともあれ、クラッシュしないこと!!(爆笑)
クラッシュしないで、走り続けること!
とっても基本的なことだよね。
(クラッシュしないこと、クラッシュしないこと、
とゆっくり何度も繰り返して強調。)
クラッシュしないこと、
人間が理解できるように設計された仕事をこなすこと。
だって、人間が使えなかったら、どうしようもないからね。
つまり、
人が理解できる形で設計された仕事をするということだね。
それ以上詳しくは、
どんなソフトウェアについてのことなのか言ってもらわないと
答えられないね。
違った種類のソフトウェアには、違った種類の品質が求められるか
らね。
スピードが最重要項目であるソフトウェアもあるし、
ユーザーインターフェースが重要なものもある。
特定の複雑なアルゴリズムを正確に実行することが
最優先されるべきであるようなソフトウェアもある。
だから、これらについて一般論を述べるのは難しいんだけど、
でも、非常に基本的な基準として、、、
(机をコツコツ叩きながら叫ぶ)
クラッシュしたらダメ!!
(熱弁し尽くして、しばし息切れ。)
ChangeLog:
既存のバイナリのみのソフトウェアのうち、
「良いソフトウェア」があれば教えていただけますか?
ESR:
(唐突な質問にキョトンとして)
え?
あー、うーん、難しいなあ、、、
うーん、、、(本気で考え込む)
だって、バイナリのみのソフトウェアなんて、長らく使ってないから、、、
(ぶつぶつと独り言。)
あれ?(ソースコードの存在しない)バイナリのみのソフトウェア?
何それ?そんなのあるの?(笑)
分からないなあ、、、
でも、多分、、、
Netscape Navigator 4 は、そんなに悪くないんじゃない?
僕も使ってるんだ。
(「え?
良いソフトウェアの基準にあってないんじゃない?
しょっちゅうクラッシュするよ!」
(Peterson 氏)という突っ込みに対して
「本当?
面白い、僕のはクラッシュしたことがないよ。」
と答える)
僕の経験的には、Navigator 4 はそんなに悪くないと思うけど、、、
頻繁に使うソフトは、これしかバイナリのみのソフトウェアなんてないから、、、
(うつむいて再び考え込んでしまいそうなった瞬間、
突然閃いたらしく、
頭をもたげ、
机を叩き、
興奮して叫ぶ)
そうだ、そうだ!!
すごい、これってしかも windows のソフトウェアだ! ワォ!
(自分だけ興奮してもったいぶる。)
僕が windows マシンでいくらかでも走らせることのある
唯一のプログラムは、「Civilization」というゲーム。
これはかなり良いソフトウェアだよ。
(Civilization の Linux 版(英語)は、5月下旬にリリースされる予定で
した。)
日本にもある?
このゲームはさあ、、、
(ESR、足をバタバタさせて
Civilization がどういうゲームかを熱心に話し始めて止まらない。)
-----------------------
ChangeLog:
あの、、、次の質問してもいいですか?(笑)
ESR:
あ、いいよ、もちろん、どうぞ。(笑)
ChangeLog:
Ken Thompson 氏の Linux に関するコメントについて(日本語)ですが、
「Linux は NT よりひどい」とおっしゃっていました。
しかも信頼性についてです!
あなたは ken のこのコメントについての真相を明かす文書を LWN
にも送って下さいましたが、この信頼性についての部分は特に含ま
れていなかったので、説明していただけますか?
ESR:
彼のコメントについて理解しておくべき点は、 Linuxについて語っ
た彼の経験というのが、実は PC でないハードウェア上の Linux
の話であるということなんだ。そして、それについて信頼性が無い
と言ったんだ。
元のインタビューの記事をもう一度読み直したら、彼が正にそう言っ
ているのが分かると思う。
※ どうやら Computer 誌の編集の段階でニュアンスが変ってしまっ
た、ということのようです。
僕は、彼が使用したのは、Alpha か PowerPC 上の、マイナーで、
やや不安定なバージョンだったんじゃないかと推測している。
そして実際、それらのバージョンは、PC 上のLinux ほど信頼性が
高くないのは事実なんだ。まだそれほど多くは使われてなくて、バ
グが削ぎ落されるだけの十分な時間がまだ経っていないからね。
※ Linux は、開発者も一般ユーザも PC (アーカテクチャ) を利用
する人が最も多いため、PC上のものが最も安定したコードとなっ
ています。
それに、(逆説的に)面白いのは、彼が PC でないハードウェア上
の Linux に話を限定しているということは、彼が実際に PC ハー
ドウェア上で走っている Linux を見たことがあり、実際に信頼性
があると知っていたからだ、ということなんだ。
※ そうでなければ、わざわざ「PC 上のでなければ」と明記してアー
カテクチャを限定(除外)したのが不自然だから、という理屈
です。(なお、多少マシだが酷いに変りはないとLinux と同時
に酷評されていた NT に関しては、特にアーカテクチャは限定
されていませんでした。)
でも、(ken とのメールでのやりとりで)それ以上の詳細は教えて
もらえなかった。 どんなマシンを使っていて信頼性が得られなかっ
たのかを尋ねたが、ken は教えてくれなかった。
だから、僕も公開文書にその点については含めることができなかっ
たんだ。
でも、面白いよね。
彼は PC 以外のかなりマイナーなLinux ポートを使っていたんだと思う。
ken は、オープンソースについては良い考えだと言ってくれたから、
それについては、ホッとしたよ。
(笑。胸をなで下ろすジェスチャーをする。)
※ ESR は、OSI (Open Source Initiative)(英語)
の代表として、オープンソースソフトウェア界のスポークスマン
として活躍していらっしゃいます。
だいたい、ken が「Linux なんて良くない」って言うなんて、
栄西が戻ってきて「禅なんて良くない、厄介だ!」って言うような
ものじゃないか!ワッハッハッハッハッ!!(ESR のみ爆笑。)
※ これは ESR お得意の禅についての冗談だったのですが、
ChangeLog を含めインタビューに同席された方々はすぐには理
解できませんでした :-)
辞書によると:-) 栄西は、中国から日本に初めて禅をもたらし
た日本人の僧だそうです。
つまり、栄西が「(日本の)禅なんてダメ」というのは甚だお
かしい、なぜなら、日本の禅は彼の影響を大きく受けているは
ずなので。いわば、その人自身の教えを忠実に実行していたら
突然否定されたようなもの、というあたりがジョークのようで
す。
ちなみに ESR は後で、日本に来て驚いたことの 一つとして、
「僕の禅ジョークが通じないんだ!!」
ともおっしゃっていました、、、:-)
--------------
(インタビュー途中中略。整理できた時点で後編として公開する予定です。)
--------------
(講演(日本語)の後、実行委員会の方々との宴会(日本語、写真付、中元崇さん)
へと向われる途中、ESR とお話できる時間がありました。
ESR は既にかなり宴会モードに入っていましたが、
いくつか質問させていただきました。)
ChangeLog:
「OSS トップ100」のようなランキングを提供する予定はありませんか?
※まだ開発が始まったばかりで、まだ十分に OSS の開発モデルの利点を
生かしきれてないソフトウェアと、既に十分に OSS の利点を享受して
商用製品並に発展したソフトウェアとを、区別し、
ユーザを適切にガイドするために。
というのは、例えば、同じ種類の機能を提供するソフトが
幾つかあったとして、まだ十分に開発が行われていない
ソフトウェアを詳しく(知りたいとは思わ)ない人が利用することによって、
「オープンソースソフトなんてどれもこれもジャンクばかりで使えない」という
感想を持たれてしまう可能性があると思ったので。
ESR:
ないね。
だって、そんなこと、もしやっちまったら、
政治的な言葉 :-) をめちゃくちゃ浴びせられるだろうからね。
(子供っぽい、おどけた高い声で猛スピードで)
「どーして僕のソフトウェアをリストに入れてくれないんだー!」
「俺様のソフトウェアはリストに入るべきだろー!!ギャー!」
(あー、こわ、という感じで。)
そんなこと、できないね。冗談じゃない。
今やってることだけで十分トラブルを抱えちまってるんだ :-)
(ESR は、とても良い感じの方でした。
正直言いますと ChangeLog は、もっと気難しくて、終始険しい
表情をしていらっしゃる方だと思ってました。
(伽藍とバザールの写真のような :-)
話されること自体は、確かにオンラインとオフラインとでそれほ
ど違うことはないのですが、どうやら文字メディアが伝える場合
には、彼の、穏やかで暖かい(より正確には、キュートでお茶目
な)雰囲気がすべて省略されてしまっているような気がしました。)
※ 講演に出席されなかった方は、是非、RealVideo で、
その微妙なニュアンスを感じ取ってみてください。
実行委員会の方々(日本語)の御尽力によって講演の完全な記録が、
RealVideo によって閲覧できるようになっています。
また、完全な講演録にも取り組んでいらっしゃるようです。
さらにそれらの成果はインターネットだけでなく雑誌付録
CD-ROM 等を通して広く配布されることになる予定とのことです。
(ESR は、ChangeLog が思っていたよりも
ずっと良い感じの方だったので、そう伝えると)
ESR:
(大きく目を見開いて)
え?
嫌なヤツだと思ってたってこと?
そういうこと?
僕が_何_を_し_た_っ_て_い_う_ん_だ_!!
勘弁してよ!!(笑)
(と驚かれていました。)
(LWN に関しては、
ウィークリーニュースと言いつつデイリーもやってるしね、
good job だと思うよ。とてもね。
というコメントをいただきました。)
(また、ネット上でのフレームに関してもコメントをいただきました。)
ESR:
一度会ったことのある人からは、フレームされないよ。
時々うるさくて手に負えなくなるのは、一度も会ったことのない人なんだ。
僕に対しては一般的に、フレームは公の場で投げられ、
優しいことを言ってくれる人は個人的にメールを送ってくるんだ、、、
逆だったら良いんだけどね。:-)
--------------------------------------------------------------------
・ESR 京都講演(講義ノート)
--------------------------------------------------------------------
(講演は1000人以上は入ると思われる京都産業大学の大ホールで行
われました。参加者は200人と発表されています。講義というこ
ともあり、(服装はスーツではありませんが)インタビューの時
よりもだいぶ畏(かしこ)まった雰囲気で講演をされていました。
講演には逐次通訳がありましたが、ESR は、出来るだけ多くの
人に自分の主張が直接伝わるように、ゆっくりはっきりした口調
で講演してくださいました。)
(以下では、ESR の表現とは一部異なっている部分があるかと思
います。意訳の範囲内ではなく言い過ぎや完全な誤訳と思われる
場合にはご連絡下さい。宜しくお願い致します。)
(彼はまず、聴衆がどんな人達なのか把握することから話を始めました。)
ぼくの「伽藍とバザール」を読んだことある人はどれくらいいるか
な?
(半分くらいの方が手を挙げました。)
講演中、いつでも質問して下さい。
(彼は、ビジュアルを一切使わず対話のような感じで講演を進めま
した。自分のキャリアを少し述べた後、「伽藍とバザール」をベー
スにした講演を始めました。)
私は、1993年まで約15年間ソフトウェアエンジニアをしていました。
そして、高品質なソフトウェアを開発するために必要な方法ついて
は、それまでの経験に基づいた固定観念を持っていました。
Linux 以前に私が持っていた固定観念というのは、
「Brooks の法則」という格言に凝縮されていました。
けれども、93年に Linux が出てきて、その自分の今までの考え方
をすべて覆してしまったのです、、、
ショッキングでした、、、
------
以下、講演ノート。
(参考:伽藍とバザール(日本語)。ほとんどすべての内容はここに書かれています。)
------
・Brooks の法則
・遅れているプロジェクトに人員を追加すると、さらに遅れる。
なぜなら、
・n 人のプロジェクトにおける仕事の量は、
n に比例。
(プロジェクト全体としてこなすことのできる
仕事の量は、開発者の数に比例。
eg. 10人よりも20人の方が2倍の仕事量をこ
なせる。)
一方で、
・バグの量、管理の複雑さは、n^2 に比例。
(正確には n * ( n - 1 ) / 2 に比例。)
なぜなら、(言い換えると)
・プログラマ間のコミュニケーションの経路数に比例。
つまり、
・バグ数は、違った人が書いたコード同士の
インターフェースにおいて累積。
・管理の複雑さは、プロジェクトに関わる人々
同士のインターフェースにおいて累積。
したがって、
・プロジェクトが大規模になってくると、プロジェ
クトに人を追加することによって、その追加さ
れた人がこなす仕事の量
(つまりプロジェクト
全体としてこなすことのできる仕事の量の増分)
よりも、
その人が追加されたことによって、プロジェク
トが完了するまでにこなさなければならなくな
る仕事の量
(つまりプロジェクトの複雑さが増加すること
によって増加する、プロジェクト全体として
こなさなければならない仕事の量の増分)
の方が多いため、
プロジェクトが完了するまでの時間は、
かえって増えてしまう。
そのために次のようなポリシーを持つべきだと思われていた。
・開発グループを小さくすること。
・開発グループを厳密に管理し、
他の世界から隔離すること。
・新しいことをするよりも、
バグを潰すことに専念すること。
・正直言って、最初は Linux が成功するとは思わなかった。
・しかし Linux は見事に成功した(している)。
・だから Linus がどうやっているのか理解しようと思った。
・3年間見てきて、分かってきたこと
・Linux の特徴
・伝統的な「Brooks の法則」の
反対のことをやっている!
つまり、
・(開発グループを小さく、に対し)
開発者の数が多い。
・(厳密に管理し隔離されるべき、に対し)
オープンで外界から多くのフィードバックを得る。
・(新しいことをせずにバグ潰しに専念、に対し)
リリースとリリースの間が非常に短い。
(1日おきのこともあった!)
・Linux が成功している(信頼性が高い)のは、驚きだった。
(当時としては型破りなことをしながら。)
・2つのスタイルの違いは「バグの発見の仕方」。
・伽藍(伝統的な方式)
・バグを見つけるには、プロジェクト内で
専任の人が始終見張っている必要がある、
という前提。
(コストの問題から多くの人には見て貰えない。)
・バザール(Linux)
・プロジェクト外部の一般の人も含めた大量の人に、
(のべ)長時間見てもらう。
・「Linus の法則」とは?
・「十分な数の目玉があれば、バグは深刻ではない。」
(Given enough eyeballs, all bugs are shallow.)
・ラジカルな考え方。
(システムの規模を肯定的に捉えているという点で。
今までは、システムが大きくなると、
問題も大きくなると考えられていたので。)
・もっとも重要な違いは?
・ピアレビュー!(Peer Review)
・「ピアレビュー」とは?
・科学の世界で使われ、うまく行っている、設計をチェッ
クする方法。
・例えば、物理学の世界では、一人の物理学者が発見した
ことは、他の多くの物理学者によってレビューされる。
・(つり橋、ダムの建設等でもよく使われる。)
・「ピアレビュー」は信頼性に非常に関わっている。
・信頼性の高いソフトウェアにしたければ、「ピアレビュー」
しかない!
・(質問)「ピア」の定義は?
・設計の段階で、その設計者と同じ世界の専門家が、設計
の正当性をチェックする。
・もともとの設計した人とピアレビューする人の間に、政
治的な思惑が働かないことが大切。
・バザール方式が「Brooks の法則」からどうやって逃れているのか。
・「Brooks の法則」における暗黙の前提
・プロジェクトのメンバーが、
他のメンバー全員とコミュニケートしないといけない。
・オープンソースプロジェクトの場合
・中心メンバーと周辺の人達との間にコミュニケー
ションがあるだけ。
・プロジェクト参加者が何千人もいても、管理可能。
(むしろ大人数のテスター、デバッガが使えるという利点。)
(開発するために、すべての人(特にデバッガ同士)が
コミュニケーションする必要はそれほどない。)
・オープンソースだからと言って、複雑さが減るというわけではない。
・一般に人を増やして複雑さが減ると言うことはありえない。
・どうやって、増やさないようにするか、というのが問題だ。
・(質問)デバッグは人海戦術が取りやすいが、上流工程における
プラニングなどには、そういう手法は活かされるのか?
・確かに、人海戦術は必ずしも、アーキテクチャ開発等に
生かせるものではない。(この方法でやる必要はない。)
・アーキテクチャ開発をする人は、コアのメンバー(少数)
だ。
・でも、オープンソースは、デバッグにしか活かせないと
は思わないで欲しい。
・他の人達のフィードバックは、プロジェクトに新しい洞
察を加えてくれる。
・実際に、自分のプロジェクトで、他の人が問題に新しい
見方を与えてくれたことがある。
・「伽藍とバザール」を参照して下さい。
------
(一段落したところで、彼は、講演の残りを聴講者にとってより意
味のあるものにするため、多数決を取ることにしました。)
------
えー、次に、何を話しましょうか?
・メインストリームビジネスに
どのようにオープンソースを広めていくか
・ビジネスモデル
・ジョーク :-)
どれについて話しましょうか?
ジョークは、あまりうまく翻訳できないだろうから、その他の2つ
にした方がいいね。:-)
皆さん、挙手をお願いします。
(多数決を取りました。)
、、、ワーオ、ほとんど半々だ!
(どっちでも良いって事なら)
じゃあ、コインを投げて決めることにしましょう。(会場爆笑)
(ぶつぶつと、こっちがメインストリームビジネスに、、、
こっちがビジネスモデル、、、と呟いた後、コインを投げる。)
んー、、、コインの表だから、、、ビジネスモデルの話だ!
(本当にコインで決めたことに対して会場騒然、拍手喝采。
再び、真面目な講演モードに突入。)
いちばん大きな問題は、この開発モデルを使って、どうやって金儲
けをするか、ということなんだ。
------
(以下、再び講義ノート。
内容的には、ほとんどすべて OSI(英語)のページと
間もなく発表される論文に書かれていることです。)
------
・一般的に、ソフトウェア業界について2つの仮定がなされている。
(「製造モデル」と呼んでいる。)
・「利用価値(use value)」と「販売価値(sales value)」
・「利用価値」
・そのソフトウェアを利用することで生まれてく
る価値
・例えば、経理ソフトがあれば効率が上がるので
経済的価値が生まれる。
・「販売価値」
・利用価値を得たい人のためにソフトを売ること
によって得る価値。
・妄想1:ソフトウェアの価値は、販売価値にある。
(挙手)金銭的な見返りを得るために、ソフトを書いたこ
とがある人?
→ 何人か手があがりました。
(挙手)その中で、ソフトが売れた数によって、その報酬
が変わったと思う人?
→ 手が挙がらない。
・これは、別に驚くことではない。
(当然のことで、予想通りなのです。)
なぜなら、
・実際には、プログラミングの仕事の19/20は、利用価
値のみによって報酬が決められている。
・販売価値によって報酬が決められているプログラミング
関連の仕事は、5%以下。
・妄想2:ソフトウェアの価値は、利用価値、あるいは製作コスト
によって決まる。
・消費者は、利用価値だけではなく、将来的な期待値を見
込んで製品を購入する。
例:30万円で売っていたソフトウェアだとしても、
製造中止と発表されたら、小売りでは1,000
円に価格が暴落してしまうだろう。
(何故なら、それ以降の製品サポート(例え
ば致命的なバグのアナウンス)や、今後、
他の同種ソフトでは当たり前のことに
なる機能拡張やプラットフォーム対応がな
される可能性が非常に低くなるから。)
・つまり、ソフトウェア産業は、製造産業ではない。
サービス産業である。
・ソフトウェア産業がサービス産業であるなら、製造過程
における秘密の技術を持っている、ということにそんな
に価値があるわけではない。
・よって利用価値、サービスにおいて消費者が満足できる
ものを提供できれば、オープンソースでも、お金を儲る
ことができる。
・「8つのビジネスモデル」について。
(今回は時間の都合で、実例がある 6つまで。)
1. 市場でのポジションを得るためのロス・リーダーとして
本当に儲けるつもりのクローズドなサービスを売るために、
オープンソースソフトウェアをロス・リーダー(おとり商
品。客寄せ商品)にする。
例:Netscape
2. ハードウェアのための、ウィジェット(小物)として
ハードウェア販売促進のためのソフトウェア(ドライバ等)
をオープンソースに。このハードウェアに対して忠誠心を
持つ顧客層が得られる。
例:Apple の Darwin
3. 剃刀モデル
(剃刀の「柄」を無料で配布し、剃刀の「刃」を売る。)
オープンソースソフトウェアを配布し、それに関わるサー
ビス市場を開拓。
例:Linux ディストリビュータ
4. (間接的な)アクセサリで儲ける
オープンソースソフトウェア関連の Tシャツやドキュメン
トの販売。
例:O'Reilly
--
(まだ実行されていないが、うまく行くと思っているもの。)
5. ブランドの販売
ソフトウェアを無料配付(オープンソース)し、ブランド
を売る。同じブランドのものなら、よりうまく作動するこ
とを保証。
例:Sun の Java & Jini、まだ実行されていませんが、、、
6. コンテンツの販売
クライアントを無料配付(オープンソース)し、コンテン
ツ(情報)を売る。
例:株式の情報配布システム
--
今述べた方法はすべて、ソフトウェアの販売価値をとりあえずあき
らめ、2次的なものから利益をあげるというビジネス戦略です。
この 2 〜 3 年うまくいっています。
疑うなら、Pacific HiTech や RedHat に聞いてみて下さい。 :-)
----------
この後、聴衆の方との質疑応答が交されました。質問の内容は、
・無料製品のOSS化の意義(信頼性)
・GPL派生クローズド製品の販売(それ、やっちゃダメ!)
・RMSとOSS(剃刀モデルに相当)
・OSSとセキュリティ問題(クローズドの方がむしろ危険)
・Nescape の OSS化(1999/06/23発売のASCII NTの力武さんの記事に注目)
・Darwin ( APSL ) の意義(Steve Jobs の心までは読めない)
・他の産業への応用(虫のいっぱい入った缶は開けるな(まだ早計))
・NT の OSS 化(「I_DON'T_CARE_!」(会場爆笑&拍手喝采))
・ディストリビュータの訴訟問題(それが彼らのお仕事です)
・安全性
・特許
・サインして下さい(ESR 爆笑)
と多岐に渡りました。
----------
(最後に、なぜ将来的にオープンソースの方向なのか、という話を
されました。)
・「複雑さ」に関する例。
・一般に、建物は、110 階や 200 階ほど高くはならない。
・材料の強度的には実現できる。
・だが、人間にとって使える建物というのは、人間が一日
に 2回上下できる必要がある。
・問題は、ビルが高くなると、収容人数が増え、
(待ち時間を許容範囲内にするためには)
より多くのエレベータが必要となるということ。
・最終的に、ビルのフロアにはエレベータの場所しかなく
なってしまう。
・システムが大きくなると、管理の複雑さが大きくなる。
・すなわち、「Brooks の法則」。
・ビルの場合、限界に達すると、いくつかの低いビルを地
下鉄等で結ぶ、という解決策。
・「中央集権化」はスケーラブルでない。
(Centralization does not scale.)
(※ここでいう中央集権化(集中管理方式)とは、
デバッグを含めたすべての開発プロセスを閉じたプロ
ジェクト内で完結させてしまおうとすること、という
ことであると思われます。
つまり、ここでは、
中央集権化、イコール、伽藍モデルによる開発
ということになります。
一方、バザールモデルは、分散開発モデルと言えます。
なぜなら、
デバッグ作業をコアの開発メンバーの外に分散させてし
まうことによって、コアの開発メンバーをなるべく
小さく保とう、ということです。)
(※あるいは、centralization というのは、
コアとなる開発チームそのものを指しているとも
考えられます。
(結論的にはそれほど違いはありませんが。)
つまり、コアの開発チームはスケーラブルでないから、
負荷(負担)をできるだけ小さくしておきたい、
ということであると思われます。
良く言われていることに、
Linus does not scale.
という問題があります。
(Linux ではなくて Linus です。
Linux もカーネル自身はスケーラブルではないそうですが。)
これに関しては次回以降に関連トピックを紹介できれば、
と思っています。)
・今まで(40年間)ソフトウェアの複雑さは増し続けてきた。
・これ以上、クローズド(中央集権化)では無理という限界点がある。
(※書かなければならないコードの量が増える。
→プログラマの数が絶対的に多く必要。
→複雑さの増大に起因するバグの数増大。
→クローズドではバグを発見し切れなくて破綻。)
・今日にでもこの限界点に達するだろう。
・Windows 2000 は行き詰まる。
・Microsoft がアホだからではない。
・実際、Microsoft は優秀なプログラマを数多く抱えてい
る。
・エレベータ効果により、全体の複雑さが増え続けている
からだ。
(※そしてクローズドのままではバグを潰し切れないから。)
・もっと低いビルを作り、全体の力を分散化する必要がある。
(※ Microsoft は、一つの巨大なビル(Windows 2000)を作り
上げようとしている。)
Linux、オープンソースが成功する基本的な理由は以上です。
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・京産大見学 115人, プレス12人
・講演会参加者 200人(概算)
・講演Real中継 延200アクセス(概算)
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・カーネル
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※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
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・最新情報
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1999/06/06 現在
・開発系
・2.3 系列: 2.3.5ac1 (1999/06/05)
2.3.5 (1999/06/03)
2.3.4 (1999/06/01)
・安定系
・2.2 系列: 2.2.9ac2 (1999/06/05)
2.2.10pre2 (1999/06/02)
2.2.10pre1 (1999/05/29)
2.2.9 (1999/05/13)
・2.0 系列: 2.0.37pre12 (1999/05/13)
2.0.36 (1998/11/16)
-------------------------------
・開発系カーネル 2.3.X に関して
-------------------------------
6月2日(JST)現在、開発系カーネルの最新版はリリース 2.3.4
(1999/06/01)です。(※その後、2.3.5 (1999/06/03)、2.3.5ac1
(1999/06/05) がリリースされました。)
このリリースのためのパッチは巨大で、ほとんど 3MB あります。
大きめの変更点としては、DECnet プロトコルの追加の他に、
PowerPC アーカテクチャ関連、ISDN ドライバ関連、が挙げられま
す。
興味深いことに、今週報告された ICMP の DoS 攻撃に対する修正
(今号のセキュリティのコーナー参照)は含まれていないようです。
-------------------------------
・2.2.9ac2 に関して
-------------------------------
6月5日(BST)、2.2.9ac2 がリリースされました。
前回に比べたらかなり小さなパッチです。
開発中のものの多く(I2O、HPFS等)は、既に、あるいは、間もな
く、2.3 系列に含まれることになるそうです。そのため、それらは
もはや 2.2ac シリーズには含まれないそうです。
2.2.10pre1 と 2.2.10pre2 の内容もマージされています。
-------------------------------
・2.2.10pre2 に関して
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testing/ ディレクトリには 2.2.10 に対するプレパッチ
2.2.10pre1 (1999/05/29)、2.2.10pre2 (1999/06/02) が用意され
ていますが、それらの内容は既に 2.2.9ac2 にマージされています。
-------------------------------
・2.2.9 に関して
-------------------------------
6月5日(JST)現在、安定系カーネルの最新版の正式リリースは、
2.2.9 (1999/05/13) です。
DoS 攻撃に対する修正のパッチを含んだ最新リリース (2.2.10)が
間もなく公開されると思われますが、これを書いている時点では公
開されていません。
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・FENRIS Netware ファイルシステム for Linux
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6月4日、Timpanogas Research Group 社 は、Linux 版 FENRIS
(Novell の Netware ファイルシステム)をwww.timpanogas.com(英語)
からダウンロードできるようにする予定です。(※これを書いた時
点ではまだ用意されていないようでした。)
ソースコードは GPL の元に公開されます。
Novell の Netware のファイルシステムの機能がすべてサポートさ
れています。
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・今週リリースされたパッチと更新
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・Richard Gooch 氏による devfs v106(英語)。
2.2.9 カーネルへ v106 をバックポートしたdevfs v99.1(英語)
もリリースされています。
・IBM が、自社製 RAID コントローラー ServRAID ファミリのドラ
イバをリリース(英語)しています。(β版です。)
・H.J. Lu 氏が knfsd (Linux Kernel NFS deamon) 1.3.3 を
リリース(英語)しています。
・Mikael Pettersson 氏が、x86 プロセッサのパフォーマンスモニ
ターカウンタへのアクセスを可能にするパッチをリリース(英語)してい
ます。
・Donald Becker 氏が、3c59x イーサネットドライバの新版をリリース
(英語)しています。このバージョンは 1.0 リリース候補だそうです。
(もしすべてのことがうまく行った場合には。)
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・ご注意
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(e) 2.2 系列の 2.2.9 までのカーネルには、システムをダウンさ
せられる可能性のある DoS 攻撃の危険性が報告されています。
(1999/06/02)
(d) 2.2.8 は、ファイルシステムが壊れる(ファイルやディレクト
リが消えたりメチャクチャになる)等、数多くの問題が報告さ
れています。
(c) 2.1.89 から 2.2.3 の間のカーネルには、DoS 攻撃に対して、
システムが無防備な状態になるというセキュリティ上の弱点が
指摘されています。
(b) 2.2.0 には、(c) とは別の深刻なセキュリティ上の弱点も指摘
されています。
(a) 2.0.35 以下のシステムにもセキュリティ上の問題が報告され
ています。
-------------------------------
・初めての方へ
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・Linux のカーネルには、一般ユーザ向の安定系カーネル (stable
kernels)と開発者向の開発系カーネル(development kernels)
の二系列があり、基本的にバージョン番号で区別するようになっ
ています。
・バージョン番号の2番目が奇数となっているカーネル (2.1 系列
(2.1.*) や 2.3 系列 (2.3.*) ) が開発系カーネルで、偶数になっ
ているカーネル (2.0 系列 (2.0.*) や 2.2 系列 (2.2.*) )が安
定系カーネルです。
・開発系カーネルは、新機能の追加や大幅な実装変更など実験的な
試みをテストするためのものであり、非常に不安定なリリースと
なっている可能性があります。
・十分な知識(と時間 :-)を持った方以外は、一般に安定系カー
ネルを利用することが推奨されています。(開発系カーネルには
特別な事情がない限り手を出さない方が無難です。)
・2.0 系列の安定カーネルは、2.2 系列の安定カーネルが十分に安
定するまでの間、2.2 系列で追加された新機能よりも 2.0 系列
で得られる安定性を重視するユーザへの利便のために ac (Alan
Cox 氏)によってメンテナンスされています。
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・セキュリティ
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※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
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・2.2.X カーネルに Dos 攻撃の危険性 (1999/06/02)
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6月2日(JST)、Bugtraq ML で 2.2 系列の安定カーネルに関して
DoS 攻撃(標的システムを使用不能にしてしまう攻撃)が報告(英語)
されました。
※最新の 2.2.9 も該当します。(少なくとも 2.2.7 〜 2.2.9 が
該当します。)そのため、まもなく新しいカーネルがリリースさ
れることと思われます。
弱点の内容は、特定の ICMP パケットを大量に送ることによって、
システムをダウンさせることができるというものです。
その日の内に、Alan Cox 氏 (ac) が反応(英語)しました。問題を確認し、
原因を突き止め、早急なバグ修正を必要としている人達のためにパッ
チを発行しました。(バグ発見の報告から7時間のことでした。:-)
※ウェブ版の方では速報をお伝えしようと思い、勢い余って「6時
間後」と書いてしまったのですが、より正確には6時間42分後の
ことでした。(Thanks to 佐藤さん。)
そして一日後には、Red Hat はこのバグ修正を含む新しいカーネル
パッケージを公開しました。(6月5日(JST)現在、Mandrake 等他の
ディストリビューションでも、修正パッケージが提供されています。)
興味深いことに実際には Alan はパッチを出すまでに時間が掛り過
ぎた言って、謝罪しています。同様の修正がプロプライエタリな会
社から提供される場合に比べ数分の一の時間しかかかっていないこ
とを考えれば、かなりの驚きであると言えるでしょう。
このような対応の早さは、Linux コミュニティが提供することがで
きるであろうし、また実際、提供することになるだろうと、正に主
張していたことの一つです。正しい方向に導いてくださった Alan
と Red Hat に深く感謝致します。
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・セキュリティ関連記事
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・Smurf と Spam
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SecurityPortal.com が今週「Better Network Security through
Peer Pressure: Stopping Smurf and Spam」(英語)という記事を
発行しています。
Smurf Amplifier Attacks (ICMP echo request を悪用した DoS
攻撃)と Spam (と第三者によるメールの不正中継)という、イン
ターネット共通の2つの問題と格闘している活発な取り組みに関し
て議論しています。影響するインターネットサイトに関する情報を、
調査、報告、提供しているサイトに関し述べています。自分のシス
テムを調整するための tips も提供されています。
---------------------------------------------------
・Linux 管理者のためのセキュリティ入門
---------------------------------------------------
「The Linux Administrators Security Guide」(Linux 管理者の
ためのセキュリティ入門)が正式発表 (英語)(バージョンは
0.1.0) されています。
PDF フォーマットで提供され、非商用利用の場合、無料で利用可能
です。
この文書に関する FAQ も公開されています。(ライセンスに制限
があるのは不正確な修正版が出回って欲しくないから、PDF フォー
マットだけでしか入手可能でないのは、(私にとって)綺麗に整形
することができる唯一の言語で、ほとんどすべてのOS上で可読だか
ら、ということなどが説明されています。)
---------------------------------------------------
・ファイアウォール上での Sendmail の設定
---------------------------------------------------
www.sunworld.com で、Carole Fennelly 氏による記事「Setting
up Sendmail on a Firewall」(ファイアウォール上での Sendmail
の設定)(英語)が公開されています。彼女の Sendmail 関連の記
事の第3弾となります。
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・先月から今月にかけて報告されているセキュリティ問題のリスト
---------------------------------------------------
(詳しくは、前回発行号をご覧下さい。)
・Netscape Communicator の JavaScript (1999/05/24)
・Netscape Communicator の JavaScript (Bookmark) (1999/05/16)
・ssh 2.0 (1999/05/13)
・INN (1999/05/11)
・Caldera OpenLinux 2.2 LISA (1999/05/08)
・Oracle 8.0.5 (1999/05/06)
---------------------------
--------------------------------------------------------------------
・ディストリビューション
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※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
---------------------------
・Project Vine(日本語)
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Project Vine の方々が、Vine Linux 1.1 をリリースしています。
1.0 からの主な変更点は、gtk+1.0 と 1.2 の共存(eg. for Gnome)、
3つの Gnome アプリケーションの追加(gmc(ファイラ)、gftp(ftp
クライアント)、gnorpm(rpmマネージャ) )、各ソフトウェアのバー
ジョンアップ(特に ghostscript 関係と Xconfigurator)、との
ことです。
---------------------------
・Debian JP Project(日本語)
---------------------------
Debian JP Project の方々が再度アナウンスを出しています。
パッケージ集のリリースを行わないと方針を変更したが、プロジェ
クト自体は活発な活動を続ける予定であり消滅したわけではない、と
のことです。
----------------------------
・Linux Japanese RPM Project (JRPM)(日本語)
----------------------------
Red Hat Linux 6.0 のアップグレード・インストールする場合の注意事項と、
Red Hat Linux 6.0 上での noarch パッケージ作成する場合の注意事項が、
掲載されています。
また、Red Hat Linux 6.0 上で試作したパッケージが仮公開されています。
以下のパッケージが更新されています。
・ted2-19990601-1.i386
・kinput2-canna-v3-1.i386
・kinput2-canna-wnn4-v3-1.i386
・kinput2-canna-wnn6-v3-1.i386
・kinput2-wnn4-v3-1.i386
・kinput2-wnn6-v3-1.i386
・soundtracker-0.1.4-1.i386
---------------------------
・CCLinux(英語)
---------------------------
CCLinux は、マイクロ Linux の一つです。FD 1枚に収まり、すで
に最新カーネル 2.2.9 で動作しています。GNU ツールを使用し、
必要最低限のものだけ (bare bones) といったディストリビューショ
ンです。 懇切丁寧なケアなんていらない、という方は是非どうぞ。
---------------------------
・Debian(英語/日本語)
---------------------------
SPI (Software in the Public Interest) が非営利組織と認定され
ました。 SPI は、Debian 開発者の信頼のもとに資金等の資産を管
理している合法的組織です。
今回認められた法的な地位は、Debian の開発・支援のために SPI
に寄せられた資金等が、(少なくとも米国所得税申告に関して)課
税控除の対象となったことを意味します。
Debian の資金増加努力に関する良いニュースでした。
---------------------------
・Kha0s Linux(日本語)
---------------------------
Kha0s Linux は、自称「まだ開発が胎児状態」のディストリビュー
ションです。最も安全性の高い Linux 環境の実現を目指していま
す。
---------------------------
・Mandrake(英語)
---------------------------
Mandrake 6.0 が発表されました。「ユーザフレンドリーな Linux
ディストリビューション」だとのことです。Red Hat とどのように
自らを差別化しようと計画しているのか、明らかになったと思われ
ます。
Mandrake はまた、Pentium プロセッサに最適化されていて、5-30
%高速になったということです。
含まれている KDE 1.1.1 は、Mandrake 特有のカスタマイゼーショ
ンがなされており、初心者向けに事前設定されたデスクトップを提
供しているということです。
---------------------------
・Red Hat (英語)
---------------------------
Red Hat は、6.0 ディストリビューションにおけるいくつかの問題
を修正した、新しいインストールイメージをリリースしました。
また、新しい Sparc カーネルパッケージも出ています。これは、
このプラットフォーム上で見られた安定性に関する問題をいくつか
修正しています。
---------------------------
・IBM DB2 UDB V6.1
---------------------------
先週発表された IBM DB2 UDB V6.1 は、Red Hat Linux 6.0 上で作
動します。以前報告されていた IBM DB2 UDB 5.2 の問題が解決さ
れています。(Thanks to Knut Stolze)
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・デベロップメント
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※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
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・Java
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・Sunが、JDK 1.2.2 のプレリリース(英語)を公開しました。
・J-Extreme.int(英語)が、J/View 3D ツールキットのベータ2版を公開
しました。
---------------------------
・Perl
---------------------------
Microsoft が Perl 開発に進出(英語)しました。
発表によると、Microsoft 社は ActiveState 社との間で、3年間の
「Perl オープンソース開発・サポート契約」が締結されました。
「開発の成果のかなりの部分は Artistic License のもとにオープ
ンソースコードとしてリリースされる」とのことです。
オープンソース開発界への Microsoft のこの最初の動きを追って
いくのは重要だと思われます。
なぜ Microsoft は Artistic License の製品を選んだのでしょう
か?Java に対して行ったように、Microsoft お得意の「採り入れ
て拡張」("embrace and extend" )戦略をしても許されると考え
たからでしょうか?(ハロウィーン文書(日本語)参照。)
この契約の今後の展開に注目です。
※ 同様の内容を、Press@ActiveState.com と letter@lwn.net
に投稿されている方もいました。
(we do *not* need another Java/html/browser war.)
---------------------------
・Samba
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VMWare の方々が、Samba チームに(VMWare の)ライセンスを寄付
しました。Samba チームの開発努力を支持してのことです。
この寄付は、開発のスピード向上につながるでしょう。他のシステ
ムやデュアルブートなしでも、他の OS との互換性がテストできる
ようになりました。
Samba のウェブサイトに短いニュース(英語)があります。
(Thanks to Sean Summers).
VMWare は、先月 1.0 が発表されたばかりでした。
--------------------------------------------------------------------
・ビジネス
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※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
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・国内[1999/05/29〜06/04]
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---------------------------
・Linux プレインストールノート PC(日本語)
---------------------------
ぷらっとホーム
FLORA220CX for Linux PLAT'HOME Edition
ノートPC 、日本語 redhat Linux 5.2j / Windows98 (デュアルブート)
プレインストール。
---------------------------
・Vine Linux 1.1 製品版(日本語)
---------------------------
技術評論社
Vine Linux 1.1CR
Vine Linux 1.1 製品版、6月18日発売開始、7,800円。
-------------------------
・メールサーバソフトウェア「GraceMail(R)」(日本語)
-------------------------
日立マイクロソフトウェアシステムズ
GraceMail(R) Ver.1.5
Linux 対応 Web メールサーバソフトウェア「GraceMail(R)」最
新バージョン。
-------------------------
・Debian-JP プロジェクトオフィシャル CD(日本語)
-------------------------
ネットビレッジ
日本語対応版 Debian GNU/Linux 2.1
Debian-JP プロジェクトオフィシャル CD、6月11日発売開始、
5,800円。
-------------------------
・米 Sendmail 日本代理店(日本語)
-------------------------
米 Sendmail
代理店契約を締結。代理店は日本でマーケティング・販売・サポー
ト。
Sendmail Pro for Linux:パシフィック・ハイテック
Sendmail Pro for UNIX:トランス・コスモス
Sendmail for NT:アスキー・ネットワーク・テクノロジー
-------------------------
・日本語 redhat Linux5.2 Rel.2(日本語)
-------------------------
レーザー5
日本語 redhat Linux5.2 Rel.2
Red Hat Linux 6.0 (US) バンドル、7月2日発売開始、10,800円。
-------------------------
・デジタルコンテンツ配信システム(日本語)
-------------------------
ジャストシステム
ZipLock
デジタルコンテンツ配信システム、Java に対応、1999冬以降出
荷予定。
---------------------------------------
・海外[1999/05/27〜06/03]
---------------------------------------
---------------------------
・Linux Laptops 社開業
---------------------------
Linux Laptops (英語)がオープンしました。 Linux Laptops 社は、
Linux プレインストールのラップトップシステムだけを販売する
小売り業者です。
同社の立場は、ラップトップシステムに特化することで他のど
こにも負けないサービスをする、とのことです。
結果的に、(Linux プレインストール の Sony Vaio のような)
他では見つけるのが難しいシステムを提供しています。
(※日本国内では、ネットワーク応用通信研究所、日本電算機、メ
ディアラボ、ぷらっとホーム等で Linux プレインストールノー
ト PC が既に販売されています。)
---------------------------
・Sun、「コミュニティライセンス」のもとに高性能クラスタツールをリリース
---------------------------
Sun が「コミュニティライセンス」のもとに高性能クラスタツール
をリリースします。
プレスリリース(英語)です。
入手可能になるツールは、
・MPI プロセス間通信ライブラリ(既に Linux で利用可能)
・Prism グラフィカルデバッガ(かなり必要とされていました)
・S3L ( Scalable Scientific Subroutine Library )
・Sun PFS (Sun Parallel File System)
・CRE ( Cluster Runtime Environment )
これらのコードが入手可能で Linux 上で動くということは、 ハイ
エンドマシンで数値をバリバリ扱っている人々を幸せにすることで
しょう。
---------------------------
・800Linux 小売り開始
---------------------------
800Linux(英語)が小売りを開始しました。
800Linux.comは、既に提供していたサポートに加え、Linux プレイ
ンストールシステムを販売開始するとのことです。
詳細は、ウェブサイト(Linux マシンのページ(英語))にあります。
---------------------------
・Linus Torvalds コミュニティ賞
---------------------------
「Linus Torvalds コミュニティ賞」が再び与えられます。
IDG(International Data Group)の発表によると、 「IDG/Linus
Torvalds コミュニティアワード」($25,000 奨学金)が 1999年8
月9〜12日、 サンノゼコンベンションセンターでの LinuxWorld
Conference & Expo で再び授与されるとのことです。
---------------------------
・電子商取引ソフトウェアバンドル
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Opensales.com の発表によると、 その電子商取引ソフトウェアが
第3四半期より VA Linux Systems のマシンにハンドルされるとの
ことです。プレスリリース(英語)です。
Opensales は、ソースコードが公開されている電子商取引パッケー
ジの製作を目的としています。(ライセンスは具体的には明記され
ていません。)
このパッケージの持つ機能はまだ完全には明らかではありません。
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・Linux 版プリント回路設計
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Cadsoft が同社の Eagle プリント回路設計システム Linux 版(英語)を
リリースしました。
どうやら、小規模のボードを取り扱うことが可能な無料ダウンロー
ド可能のバージョンがあるようです。より規模の大きいものを取り
扱うには、有料版を、ということのようです。 (Thanks to Uwe
Bonnes)
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・Indybox 値下げ
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Indybox は、 Linux プレインストールシステムの一部の値下げを
発表(英語)しました。
(Indybox は、先月の LinuxExpo で400ドル台の Linux PC を発表
していました。)
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・IETF、SLP v2 承認
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IETF(Internet Engineering Task Force)の発表によると、 SLP
(Service Location Protocol)の v2 が承認されたということで
す。プレスリリース(英語)です。
Utah Valley 州立大学の学部生による調査プロジェクトの一貫とし
て、 Matthew Peterson 氏(学生)によって Linux 用 SLPv2 DA
(オープンソース)が書かれました。
このプロジェクトに関する ドキュメント、ソースコード、バイナ
リは、 BSD スタイルのソフトウェアライセンスのもとに公開され
ています。 (商用、非商用を問わずフリー。)
詳細は、プロジェクトの サイトにあります。
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・アナウンス
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・イベント
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※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
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・第5回 Project BLUE セミナー in 大阪(日本語)
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Project BLUE (Business Linux Users Encouragement)
日時:6月11日(金)[18:30-21:00](18:00より受付)
会場:東洋情報システム大阪本社 江坂ビル19Fセミナールーム
内容:Linuxデータベース製品の紹介
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・SZLUG オフラインミーティング
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SZLUG(静岡 Linux Users Group)
日時:6月12日(土)[17:30-20:00]
集合:JR静岡駅コンコース(6月12日(土)[17:00])
内容:ミーティング、宴会
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・TLUC 第2回仙台ミーティング(日本語)
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TLUC(東北 Linux ユーザー連合会)
日時:6月12日(土)[13:30-16:30]
場所:仙台市青葉区 片平市民センター第一会議室
内容:講演およびデモ機を囲んでの座談会
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・CLUG インストール大会(日本語)
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CLUG (千葉 Linux Users Group)、千葉大学総合情報処理センター
日時:6月12日(土)
場所:千葉大学けやき会館2F(第二会議室)
内容:Linux Install Party(Vine, Plamo, Debian)
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・WLUG ロゴマーク募集(日本語)
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WLUG (和歌山 Linux Users Group)
応募締切:6月18日(金)
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・KKLUM 第4回の北関東地区の Linux ユーザーズミーティング(日本語)
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KKLUM (北関東 Linux ユーザーズミーティング)
日時:1999年6月19日(土)[10:00-16:00]
場所:水戸好文カレッジ 三階第二小集会室
内容:Linux ユーザーズミーティング
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・TLUC 第1回会津ミーティング(日本語)
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TLUC(東北 Linux ユーザー連合会)
日時:6月19日(土)[13:30-16:30]
場所:会津大学中講義室 M6
内容:「初心者にも分かる最新 Linux 環境」
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・第1回 Ruby カンファレンス in 中国(日本語)
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LUCK (Linux Users Group 中国)
日時:1999年6月19日(土)[14:00-]
場所:島根県安来市温泉旅館「安来苑」
内容:Ruby セミナー、Oracle for Linux セミナー
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・Linux Business Solution Seminar / Tokyo(日本語)
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翔泳社
日時:1999年6月23日(水)[10:00-18:00](受付9:00-)
場所:青山ダイヤモンドホール
内容:「ビジネスは Linux でどう変わるか?」
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・Europe-Japan Conference on Linux and Free Software(英語)
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仏大使館(Ambassade de France au Japon)、AFUL
日時:1999年6月24〜25日
場所:Maison franco-japonaise(日仏会館)
内容:Linux、フリーソフトウェアに関するヨーロッパ/日本コンファレンス
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・第10回 Linux Seminar(日本語)
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Linux Seminar
日時:1999年6月25日(金)
内容:Linux/Alpha 入門(後藤和茂氏)
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・Linux Exhibition '99(日本語)
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日経BP社
日時:1999年7月21〜23日[10:30-18:00]
場所:日本コンベンションセンター(幕張メッセ)
内容:日本初の本格的 Linux 専門展示会
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・LinuxWorld Expo/Tokyo 99 (日本語)
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IDG ワールドエキスポジャパン
日時:1999年9月29〜30日
場所:東京ファッションタウン(TFT ホール)
内容:国際的な Linux のコンファレンス&展示会
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・日本語ドキュメント
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※ リンク付のウェブ版: http://www.ChangeLog.net/CHANGES.html (coming soon)
・Linux JF(Japanese FAQ) Project(日本語)
脱初心者向の技術解説が2つ。
・[更新]
kernel-2.2.6 附属の proc.txt
(Bodo Bauer氏、Terrehon Bowden氏)の日本語訳
翻訳:花高信哉氏、野村淳一氏
(1999/05/31)
「/proc ファイルシステムについての解説」記事です。
・[新規]
Linux C Library (libc) について
佐野武俊氏
(1999/05/25)
「Linux C Library (libc) の概要について、その役割
と歴史などを簡単にまとめたものです。内容および
文書の構成についての御意見をお待ちしております。」
とのことです。
・PCWEEK ONLINE JAPAN(ZDNet Japan)
・「2大ディストリビュータの最新 Linux テスト」(日本語)
・Caldera と Red Hat に関する
比較レビュー記事です。
「おそらく Open Linux 2.2のインストールユーティ
リティ「Lizard」は,Windowsも含めた
これまでのどのOSのインストールユーテ
ィリティよりも優れているといっても過言
ではないだろう。」
とのことです。
troll のページにある Lizard のスクリーンショットを
是非(最後まで :-)ご覧下さい。
・日経 Linux (日経BP)
・「素晴らしきMOD musicの世界」(日本語)
数ページに渡る懇切丁寧なテクニカルコラムです。
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・ソフトウェア
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courtesy of freshmeat
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・読者の方から
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(1) --------------------------------------
いろいろと情報を日本語でありがとうございます。
おもしろく読ませて頂きました。これからも、よろしくお願い致します。
今、AIXで動作しているAPをLINUXに移植しようとしている者です。
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ChangeLog: ありがとうございます。
色々な方が色々所で活躍されているのですね。
公開される際には、是非ご一報下さい。
(2) --------------------------------------
(前号の Ken Thompson 事件特集に関して)
時系列に沿ってとてもわかりやすくまとめられていて、楽しんで読むことがで
きました。次回の配信も楽しみにしております。
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ChangeLog: ありがとうございます。
毎回毎回、前回のような特集を配信できるほど
体制がまだ整っておりませんが、
ご期待に沿えるよう鋭意努力して参りますので、
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
(3) --------------------------------------
(前号の Ken Thompson 事件特集に関して)
>> ※Ken Thompson 氏 (ken) は、70年代にベル研で Dennis M. Ritchie 氏
>> (dmr, K&R の R.) と共に Unix と C を開発された方で、Unix の生みの親
>> と認められています。ACM の Turing 賞を始め、数々の栄誉ある賞を受賞さ
>> れています。
>> ken は、まるで自分の子供に対して大きな望みをかける父親のような感じだっ
>> た。ただし、その子供があまりに威勢が良く何度も無茶するため、今回はちょっ
>> と厳しくするぞ、といったような。
>>
>> (※ Ken は Unix の父であり、Linux は Unix の子供に相当します。)
だったら、ken にとって Linux は自分の子供ではなく孫ではないでしょうか?
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ChangeLog: 確かにおっしゃる通りでした :-)。
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