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[ Leading Items ] [1999/3/4〜11]

LinuxWorld Expo 総括(後編)

自由の重要性

※このコラムを読まれる前に、パネルディスカッション中編 (@LinuxWorld Expo)を読まれることをお勧めします。

自由の重要性 --- 今月の LinuxWorld Expo 以来ずっと鳴り響いているものの一つであり、それはまたこのイベントの主催者をほとんど間違いなく驚かせたものでした。

土壇場パネル」は水曜日の午後開かれました。そして、Eric Raymond 氏、Richard Stallman 氏、 Linus Torvalds 氏、 Guido Van Rossum 氏、Larry Wall 氏が中心となって「革命の継続」、つまり今年の残り 9ヶ月間、Linux の勢いをどのようにして維持し押し進めていくのかということについて議論される予定でした。

しかし実際にそのパネルで明らかになったことというのは、すべての人が現状に満足しているわけではないということでした。まだお読みになっていらっしゃらない方は、Liz のレポートをチェックしてみて下さい。一読してみる価値はあります。

この不一致は、フリーソフトウェア界では「仲違い」として今までにも広く報告されてきたものであり、フリーソフトウェア界の各々のコミュニティが何を目指しているのかという目的と密接な関係があります。おそらく最も顕著にその仲違いが表われていたのは、議論の次の部分でしょう。

Eric :
僕は、ソフトウェアに対してムカつかなくていい世界に住んでみたいです。
("I want to live in a world where software doesn't suck.")
Richard :
私は、フリーでないソフトウェアはすべてムカつく。
("Any software that isn't free sucks.")
Linus :
僕は、フリーでビールが飲めればいいなぁ。
("I'm interested in free beer.")
最初のグループはフリーソフトウェアを目的のための手段として捉えています。次のグループは「自由」(freedom)ということ自体が目的だと捉えています。そして最後のグループ(おそらく大多数の方はこちらでしょう)は、平和にビールが飲めれば良くて、こんな議論はどこかに行って欲しいと願っているのです。

ソフトウェアを仕事で使う道具だと個人が考えるとき、プロプライエタリなソフトウェアを使用することもまた「自由」だと言えます。

自由であるということがまだ重要な「目的」であり続けていることもまた事実です。それは Linux が優れたプラットフォームである理由すべてに関わっているのです。

いずれのグループの方もフリーソフトウェアに賛成しているのだから、議論の種となることなどあまり存在しないのでは、とお考えになる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし問題は、ご存じのように、これらのグループが混在している Linux コミュニティに、プロプライエタリ(独占的)なソフトウェアが投入された時に出現してきます。

フリーソフトウェア純正主義者は、プロプライエタリなベンダを歓迎しません。実際、彼らは、そのようなベンダを歓迎するどころかそのようなベンダの存在(存続)自体を認めようとさえしないのです。

「オープンソース」の人々は、もう少し寛大で、プロプライエタリなシステムは、Linux というプラットフォームが本物であることの裏書き(保証・証拠)であると捉えています。そしてそれゆえ、プロプライエタリなシステムでさえも長期的に見れば物事を前進させることになると捉えています。

時折この不一致は議論を巻き起こし、実際にはその目標の多くを同じくしている人々(フリーソフトな方々とオープンソースな方々と)の間に深い溝を作ってしまうことになります。そしてこのことがLinux コミュニティの姿を歪めた形で映し出すことになってしまいます。例えば先週のLinuxWorld Expo での私達のことを(喧嘩好きの)「17歳のサーファー集団」か何かだという烙印を押すことだって、あまりにも簡単にできてしまうのです。

LWN にいくつか提案させて下さい。私達は議論を沈静化させるには至らないでしょうが、少なくともバックページの「読者からの投稿」を多くするのには役立つでしょうから、、、:-)

フリーソフトウェアな方々へ:

ソフトウェアを仕事で使う道具だと個人が考えるとき、プロプライエタリなソフトウェアを使用することもまた「自由」だと言えます。

とりわけ高品質なフリーの選択肢が用意されていない場合には、フリーソフトウェアの支持者は寛大になるべきでしょう。人々にはしなければならない仕事があるんだということを考慮してください。自由という名のもとに選択肢を制限しようとするのは矛盾しています。

また、プロプライエタリなソフトウェアの存在はフリーな代替物の出現を妨げるものではありません。

例えば、このようなことにしばらく関わっている者にとっては、初期の gcc を用いての初期の X11 のビルドに纏(まつ)わる歴史的な苦闘を思い起こさせます。 本当に苦痛でした。

どうしてそんなにわざわざ苦労したのでしょうか? そんなに苦しまなくても、当時使っていた(プロプライエタリな)Unix システムにもウィンドウシステムとコンパイラはありました。私達はフリーソフトウェアの方が好ましいと思ったからこそ、そうしたのでした。そして最終的に X11 と gcc は、SunView と pcc に勝利したのです。

つまり、もしそれが(例えばウィンドウシステムのように、単独のアプリケーションで閉じているものではなくシステムの他の部分に多くの影響を与えるような)フリーであることが本当に強く望まれているものであるのならば、プロプライエタリなソフトウェアの存在はフリーの代替物の出現を必ずしも妨げるものではないのです。

オープンソースな方々へ:

自由であるということがまだ重要な「目的」であり続けていることもまた事実です。それは Linux が優れたプラットフォームである理由すべてに関わっているのです。

例えば、LinuxWorld Expo のようなイベントの主催者は、将来的には、「自由」についても議事事項にするべきです。フリーソフトウェアの本質を教授し損なっているようなイベントは、Linux コミュニティに対する適切な役割を果たしているとは言えません。

結局企業も真にフリーなソフトウェアから利益を得ています。「オープンソース」を推進する人は、「自由である」ということが無視されないということを確実にするように努力すべきです。

ビジネス界は Linux を発見しました。好むと好まないとに関わらず、ペンギンはネクタイを締めつつあるのです。

しかし、もし私達 Linux コミュニティ(オープンソースな人とフリーソフトな人と)が、何が重要であるのかということに関して合意に至れば、私達はまだ Linux システムの将来を決定し得る有力な勢力になることができるでしょう。

私達(オープンソースとフリーソフト)は元々それほど意見を異にしているわけではありません。

お互いに協力することによって私達は成功を掴むことができることでしょう。

ビジネス界は Linux を発見しました。好むと好まないとに関わらず、ペンギンはネクタイを締めつつあるのです。

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フリーソフトウェアがイタリアで救援

2月末イタリアの CNR (国家調査評議会)が、イタリアのエンジニアリング産業を活性化しソフトウェアの輸入削減を図るため、フリーソフトウェアの可能性を検討する会議を開催しました。

ここにイベントの記事があります。(イタリア語英語) もしかしたら米国でよりもヨーロッパでのフリーソフトウェアの革命の方が早く起るかもしれません。この文書は、それがどのようにして起り得るかということを示すものです。

(Thanks to: 元の記事を書いて下さった Gabriele Paciucci さん、翻訳して下さった Ricardo Russo さん、それらを LWN に送って下さった Paolo Didone さん)

Il Sole 24 Ore 誌にも、この会議についての論説があります(イタリア語)。Babelfish が息を詰まらせる :-) ので、残念ながら現時点で英訳はありません。

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アトランタ Linux ショーケース

第3回 1999 年アトランタ Linux ショーケースが発表(英語)されました。今年は 5日間(10月12〜16日)に渡り 3トラックのイベントがある予定です。LWN ではレポートをお伝えする予定です。お楽しみに!
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