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カーネル
[1999/10/14〜20]
Section Editor: Jonathan Corbet
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最新開発版カーネル 2.3.22

最新の開発版カーネルリリースは 2.3.22 です。
※ カーネルリリースの最新情報はこちら(日本語)をご確認下さい。

このカーネルにはいくつかの問題が報告されており、これを触ってみたい潜在的ユーザはご注意下さい。 ディレクトリ "testing" の下に 2.3.23pre パッチ (これを書いている時点ではバージョン 4 まで) があるので、おそらく適用されるべきでしょう。これは 2.3.22 の障害を修正します。

※ ディレクトリ "testing" - Linux カーネルを公開している ftp.kernel.org (日本国内からはミラーサイト ftp.jp.kernel.org を利用して下さい) のディレクトリ " /pub/ linux/ kernel/ testing " の事を指しています。

※ 障害 (difficulty) - 品質管理の用語で、いわゆるバグの事です。ハードウェア/ソフトウェアを問わず使われます。日本では英語の difficulty に「障害」という訳語を当てています。

(もちろんあなたがこれを読んでいる頃には 2.3.23 が出ているかもしれません。 最新の情報をお知りになりたい方は LWN デイリーアップデートのページ(英語) またはChangeLog カーネル最新情報のページ(日本語) をご覧下さい。)
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最新安定版カーネル 2.2.13 ついに正式リリース

最新の安定版カーネル 2.2.13 が長い開発期間の末、ついにリリースされました。
※ 2.2.12 には問題がなかったわけではありませんでしたが、 2.2.13 の正式リリースには、およそ 2ヶ月が費やされたことになります。 (もちろん、pre や ac では問題が解決されていましたが。)

カーネルリリースの最新情報はこちら(日本語)をご確認下さい。

このバージョンのリリースノート (英語) が Alan Cox 氏により公開されています。 このカーネルリリースに統合された変更の (長い) リストがあります。

2.2.13 が期待通り安定しているようなら、 次のリリース (2.2.14) には長らく待たれている NFS サーバパッチが含まれる可能性が高いでしょう。

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ext3 ファイルシステム 0.0.2

バージョン 0.0.2 の ext3 ジャーナリングファイルシステムが Stephen Tweedie 氏よりリリースされました。 詳しくはアナウンス (英語) をご覧下さい。Stephen によるとこれは「最初の使えるリリース」です。 ext3 を試してみようとお考えの場合は、 同じく適用するべき 0.0.2 へのパッチが 2つ、FTP にあることにもご留意下さい。

Stephen は ext3 への移行を支援する最初ののツールセットをリリースしました (英語)。 (ext3 についての議論とそれが何をするのかについては LWN 9 月 23 日号のカーネルセクション (英語。日本語) も合わせてご覧下さい。)

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なぜ 2.3.x にトラフィックシェイパーが?

今週の疑問:なぜ 2.3.x にトラフィックシェイパーがあるのでしょうか? さらに、なぜ ifconfig がまだ居るの? どちらの質問も同じ基本的な事柄に関連しています:Linux のネットワークには素晴らしい最新の機能がたくさんあるのに、現時点では、それらはまだあまり使われていません。

※ トラフィックシェイパー - ネットワーク上で通信を行うと、通常はそのネットワークの帯域幅を全部使い切ってしまいますが、特定のコネクションや経路について使用する帯域幅をある値に制限する機能です。

※ ifconfig - UNIX においてネットワークインタフェースをセットアップするための伝統的なコマンドです。

新しい Linux システムではこのようなことができます:
  • たとえすべて宛先が同じだとしても、 異なる種類のパケットは異なるインタフェースを経由するようにする。

    例えば、WWW のトラフィックを ssh のトラフィックとは異なる経路で送ることができます。

    ※ ssh - 通信経路を暗号化して、インターネット経由で遠隔ログインを実現するソフトウェアです。

  • 特定のポートやサイトの帯域幅に制限をかける。

  • ネットワークを渋滞が襲っている時に、パケットがどのように捨てられるかを制御する。

    ※ IP プロトコルではネットワークが渋滞してパケットを受信する事が出来ない時、単にそれを捨ててしまいます (そして捨てられたパケットは、通常は TCP プロトコルや、更に上位のプロトコルによって再送されます)。

  • あるトラフィックを他のものより優先する。
2.0 の古いトラフィックシェイパー (1998 年 11 月の LWN (英語)で説明しました) は、2.2 の新しい QoS コードの足元にも及びません。

※ QoS (Quality of Service) - ネットワーク上での帯域保証を行う機構の事をこう呼んでいます。伝統的な TCP/IP では帯域保証は行われないため、例えば RealAudio のようなストリーミングプロトコルを使っている間に、ネットワークにバースト的な転送が割り込むと、音声が途切れたりします。QoS はこのような事が起こらないように特定のトラフィックにあらかじめ帯域を割り当てます。
同様に、UNIX における伝統的な ifconfig コマンドは最新カーネルのネットワーク機能から取り残されています。 これに対して "iproute2" パッケージの ip コマンドは、ifconfig だけでなく arproute とその他のいくつかも同様に置き換えることができます。また、カーネルの新しいネットワーク機能のすべてをコントロールすることもできます。

古いネットワークツールが今も存在している主な理由は、ドキュメントのようです。 iproute2 とトラフィックコントロールツールには、 (ドキュメントが)ほとんど存在していません。 このため、ほとんどの方にとってそれらを使い始めるのは困難です。 これらのツールは若干複雑で、新しいユーザにはおっかないものです。

ドキュメント作成の作業が進行中ですので、 この欠落は数ヵ月以内に改善される見込みです。 その時点で、トラフィックシェイパーを除くことができて、 ifconfig はおそらく新しい IP ツールに変換するシェルスクリプトで 置き換えられるのかもしれません。 そのときまで、 ほとんどのユーザにはいままで通りのやっかいな仕事のようです。

(iproute2 パッケージ (とそれがサポートしている凝ったネットワーク機能の多く) は Alexey Kuznetsov 氏によって書かれました。 このパッケージは ftp. inr. ac. ru/ ip-routing/ にある彼の FTP サイトから取得することができます。 funet.fiuchicago.edu 等、いくつかのミラーサイトがあります。 トラフィックコントロールへの良い入門が、 Werner Almesberger 氏の Linux Expo での講演にあります。 PostScript 形式で 彼の FTP サイト から取得できます。)

※ PostScript 形式の文書は PostScript インタプリタである Ghostscript を使って、ビューアの gv や ghostview で見る事が出来ます。
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Linux コアカーネルコメンタリー

Linux コアカーネルコメンタリー。 "TedC"氏による指摘によると、 Coriolis 社が、カーネルソースの一部に何をしているかの説明を加えた Linux Core Kernel Commentary (英語) を(近々)リリース予定だとのことです。

※ 実は、ずっと昔に同様のコンセプトの本があります。John Lions 氏の「Lions' Commentary on UNIX」です。この本は AT&T の UNIX V6 の全(!)ソースコードに詳細なコメントを付けて収録したものです。最近日本語版も出版されました。
本当の「コアカーネル (※カーネルの中核)」 (のみ)であるようで、 ファイルシステム、デバイスドライバ、ネットワーク、等々は含まれていないようです。
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その他のパッチとアップデート

今週のその他のパッチとアップデートは以下の通りです:
  • オンライン ext2 リサイズツール (英語) が Andreas Dilger より公開されました。 これはファイルシステムをリサイズするだけでなく、ファイルシステムをマウントして使いながらそれを行うことができます。

    ※ これは Partition Magic や gpart のようなパーティション編集ツールとは明らかに性格の異るものです。これを LVM (Logical Volume Manager) と共に使う事で、汎用機や商用 UNIX で既に実現しているように、システムの運用中にファイルシステムの構成を自由に変更出来るようになります。

  • Richard Gooch 氏の devfs パッチはバージョン 127(英語) になりました。 見たところ SGI が現時点の devfs 開発のスポンサーになっているようです。

  • Modutils 2.3.6 (英語) が Keith Owens 氏からリリースされました。

  • Trond Myklebust 氏は彼の NFSv3 クライアント (英語) を 2.3 カーネル系列に移植しました。

  • 先週の動的デバイスの議論を受けて、Jeff Garzik 氏はブロックデバイスとキャラクターデバイスの配列を動的なリンクリストに変えるパッチ (英語) を投稿しました。

    ※ 配列/リンクリスト - プログラム内部のデータ形式の種類です。配列は同じ大きさのデータの単なる繰り返しのため、あらかじめ予想される最大の大きさを割り当てておく必要がありますが、リンクリストはバラバラのデータをポインタでつないだもので、リストの途中にデータを追加したり取り外したり出来るので、あらかじめ領域を確保しておく必要が無く、柔軟に大きさを変更する事が可能となります。
    いったんデバイスの数が巨大になれば、これと似たようないくつかの変更が必要となるでしょう。現状のカーネル内の静的な配列は明らかに、巨大なデバイスナンバー空間を得るにはあまりに大きくなりすぎます。

  • H.J. Lu 氏は nfs-utils 0.1 (英語) をリリースしました。 このリリースは古い knfsd-1.4.7 をベースにしており、新しい名前とバージョン番号を持っています。
    ※ そして古い knfsd パッケージを置き換えるものと言えるでしょう。

    ※ knfsd パッケージに含まれていたカーネルへのパッチは、nfs-utils パッケージには含まれていません。別途 CVS アーカイブから取得する必要があります。詳しくは上記のリリースノートをご覧下さい。

    このリリースは新しい Linux NFS プロジェクト (英語) の一部です。このプロジェクトはメーリングリストと CVS アーカイブを立ち上げました。

    ※ CVS - ソースコード管理ツールです。CVS を使えばインターネット経由で最新のソースを取得したり、開発者がソースを更新したり出来ます。
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素晴らしき Linux 3.0 の世界

「素晴らしき Linux 3.0 の世界」:Linux の新機能の記録者である Joseph Pranevich 氏が今度は、 The Wonderful World of Linux 3.0 (※ 素晴らしき Linux 3.0 の世界) (英語) で、 厳然たるミレニアム以降の時代の事実 ;-) を見せてくれました。
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関連 URL

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