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[1999/11/04〜10]
Jonathan Corbet, Executive Editor
Elizabeth O. Coolbaugh, Managing Editor
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Red Hat/Oracle ディストリビューション

今週、新しい Red Hat/Oracle ディストリビューションが 発表 (英語。プレスリリース。Oracle 内 されました。 同二社は、 高可用性および電子商取引アプリケーションを目的とする Red Hat ディストリビューションの拡張バージョンの構築を 計画しています。 その品目リストには、 繰り返し言われているテーマがいくつか含まれています: 大規模メモリ、大規模ファイル、raw I/O 等です。 それらの大部分は、かねてから進行中です --- そのうち多くは、Red Hat がスポンサーになっています。

興味深いことに、 このプレスリリースは、Motif 2.1 の統合についても述べています。 この Motif の統合は、Red Hat にとって 2つの局面から、一歩後退となるものです。 ディストリビューションに Motif を含むことによって、 もはや、ここ 2年間 Red Hat が自慢していたような 「100%フリー」なディストリビューションではなくなってしまいます。 また、Motif を持ち込むということは、 まさに Linux のデスクトップパッケージであるべき、 ということであった Red Hat の GNOME への傾倒に疑いをさしはさみます。

より心配しがちなコミュニティのメンバーならおそらく、今回の発表を、 成り行きを待つ投資家たちの要求に応えるために Red Hat が (以前は完全にフリーであった)ディストリビューションを堕落させるものだと 解釈するでしょう。 その他の方々は、Red Hat はただ単に、 Motif ベースのアプリケーションが必要な方々のために、 それを実行することができるディストリビューションの一バージョンを 入手可能にしようとしているだけだ、と言うでしょう。 いずれにせよ、大企業には受けが良いと言うのが妥当なところでしょう。 (このような問題についてあまり考えないでしょうから。)

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Microsoft の独占と Linux への影響

Microsoft は独占です。 少なくとも米連邦地裁により公開された 事実認定 (英語) によると、Microsoft は独占だということです。 かなり驚いたという方々はほとんどいないようですが、 この認定に対する反応は様々です。 Linux 企業の公開株は、うなぎ昇りになりました。 (その後やや低下しました。)

けれども実際には、この裁定は Linux にどのような影響があるのでしょうか? この問いの一面に対しては容易に答えることができます: 当分の間は、直接、法的な影響はないでしょう。 Microsoft を独占禁止法違反で有罪とするために裁判が続くということや、 刑罰はまたさらにその後に査定されるということを考えると、 実際に何か変化が起こるまでにはまだ何年かかかりそうです。 控訴裁判を通過するには 2つのレベルがあり (ただし最初のものは短縮されるケースもあるようですが)、 控訴裁判所と最高裁判所の両方は、 より Microsoft に有利になるだろうと予測されています。 たとえそうではなくても、その手続きには何年もかかるでしょう。

Microsoft が「小さなビルゲイツ」(Baby Bills) へと分割されたらどうなるのでしょう? アプリケーションのみを取り扱うようになった Microsoft の破片は --- もし本当に独立していたら --- 積極的にそのアプリケーションを Linux に移植すると予測できるかもしれません。 多くの方々は、Linux 上で MS Office が利用可能になって 拍手喝采するでしょう。 けれどもそこには、 Macintosh アプリケーションが支配されているのと同じ方法で、 商用 Linux アプリケーションが Microsoft に支配されるというリスクもあります。 今回の件がなくてもいずれは最終的に、 Microsoft は Linux への移植を始めるかもしれませんが、 分割された場合には、よりこれが加速することになりそうです。

Linux は、世界制服(日本語)のために 政府の力を借りる必要があるのでしょうか? 事実認定によると、この答えは「イエス」です。 Linux は第 50節の「周辺的な OS」で議論されており、 あまり望みがないとされています。 この見方は、以下の2つの部分に現れています。

「同様のことは、 (Intel 互換 PC 上で走る OS の一種である)Linux を見ても言えることである。 他のOSが市場へ参入する際に、 Windows アプリケーションの蓄積によって障壁が存在してしまっている。 この事実は否定することはできない… Windows 用アプリケーションには莫大な蓄積が存在するため、 顧客は Windows を好み、それに応えるという開発者の動機付けによって、 さらにアプリケーションが蓄積するという循環がある。 この循環は、非 Microsoft OS 製品の競合を妨げてしまう。 Linux のオープンソース開発モデルが この循環を自然に打破するような兆しは示されていない。

けれども Microsoft にとって幸運なことに、 ソフトウェアを書き、テストし、デバッグするという自らの才能を 公共の利益のために捧げようという開発者が世界中にただただ大勢いる… 十分に多くのユーザに Windows 以外の現実的な代替案として Linux を提示するためには、 非常に多様なアプリケーションの開発と継続的なアップデートが必要とされる。 しかし、それらがなされるのに十分な数のオープンソース開発者が現われることは… ありそうにない。 実際に、アプリケーション開発のオープンソースモデルは、 非 Microsoft PC OS 上のアプリケーションの数を増加させるかもしれない。 しかし、その数は、 そのような OS が Windows に挑戦するのを妨げてしまう 障壁(Windows アプリケーションの膨大な蓄積)がなくなるの には十分ではない。」

LWN は慎んで異議を唱えさせていただきます。 Linux の成長曲線は、競争が実際に可能であるということを示しています。 デスクトップ指向のソフトウェア(例えば KDE や GNOME)の開発ペースは速く、 そのため、アプリケーションの使いやすさと手に入れやすさの両方において、 Linux を Windows にとても近付けることになっています。

また、これは重要な点ですが、 オープンソース開発者を「公共の利益のため」のボランティアだと 考えることは、近年ますます不正確になりつつあります。 ボランティアはオープンソース開発の重要なバックボーンであり続けてはいますが、 しかし、 フリーソフトウェアの開発者は、近年ますます、 フリーソフトウェアに確実なビジネス的利益を見込む企業に 良い待遇で雇われつつあります。 オープンソースは、Microsoft よりも多くの開発者を抱えているのです --- そして、このことはもう何年も真実であるのです。

フリーソフトウェアは、生まれながらにして優れた製品なのです。

※ 現在のフリー(オープンソース)ソフトウェアの開発においては、 多くの主要なプロジェクトにおいて主要な開発者の何人かは フルタイムでそれに取り組むことを (それを支援する企業や研究所に雇用されることによって) 「仕事」としています。

例えば、Linux カーネルにおいても、 そのような企業からの支援が全くなく、 完全なボランティアベースで進められていたなら、 今ほど急速には開発が進んでいなかったでしょう。 そのような「プロ」のフリーソフトウェア開発者と 世界中のボランティアを合わせたマンパワー合計は、 確かに Microsoft の開発者のマンパワー合計よりも多いかも知れません。

では「何故」、今現在実際にトータル(システム全体)として、 Linux (が提供する環境)は、Microsoft (が提供する環境)よりも、 (少なくともデスクトップ環境として)劣るものになっているのでしょうか?

一つには、オープンソースコミュニティは、 確かに Microsoft よりも多くの開発者を抱えているかも知れませんが、 Windows 環境よりも多くの開発者を抱えているわけではないからです。 つまり、多くのアプリケーションが Microsoft 以外のソフトウェア企業によって、 Windows 環境をより良いものへとするために開発されているからです。 (しかしこの状況は、ご存じのように、徐々に改善されつつあります。)

そしてもう一つには、おそらく… 皆さん、自由気ままに好き勝手なことをやっていらっしゃるからでしょう。;-) フリーソフトウェアコミュニティによって、 一体いくつの OS が開発されていると思いますか? さらに、Linux 一つをとっても、 一体いくつのディストリビューションが開発されていると思いますか? また、個々の機能を提供するサーバやツール、アプリケーションに 至っても同様に、かなりの量の作業の重複がなされています。

それにしても、これって、どうにかならないんでしょうか?? (アプリケーション開発企業が徐々に Linux 版の開発に着手する ことによって、 最終的に致命的な問題(敗北の原因)とならなければ良いのですが…。)

こちら(日本語)も御覧下さい。

フリーソフトウェアの持続的な成長と成功を保証するのに必要な クリティカルマス(十分な数のユーザ数)に達してから、もうずいぶん経ちます。 このクリティカルマスへの到達は、 政府の活動によって達成されたものではなく、 Richard Stallman 氏のような人々の献身と根気や、 世界中の何千人ものフリーソフトウェア開発者の努力によって 達成されたものなのです。

一方、Microsoft は何年にも渡り自分の首を絞めるロープを作り続けてきました。 Linux が自身の成功を保証するのに連邦裁判所は必要ではありません。 この成功は、 このシステムに実在する利点と、 多くの素晴らしい開発者によるとてつもなく質の高い仕事 の結果として実現しつつあるものなのです。 Microsoft の分割は、フリーソフトウェアの勝利に傷を付けるものです。 いずれにせよ、そのような判決が裁判を通り抜ける頃 (最終的な判決が確定する数年後)には、 実際的価値はなくなっていそうです。


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