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A look at Microsoft's 'Linux Myths'
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ハロウィン再び? --- Microsoft の「Linux の神話」について

ハロウィン再び?

またハロウィン(日本語)がやってきたのでしょうか。

Microsoft が、 「Linux の神話」(英語) とするものを主張するためのページを公開しました。

※ 関連記事: ChangeLog の速報(日本語。 日本語関連文書へのリンクがあります。)
強い調子で書かれており、弱点を直接突くものです。

Microsoft が Linux のことを本気で相手にしているのかどうかを疑う方は、 この文書をご覧下さい。 同社の以前の Linux を攻撃する試みとは、違っています。 (比較的)よく調査され、うまく書かれています。 かなりの努力の産物となっています。

この文書の批評としては、 LWN からの反応 (英語。日本語(下記記事)) をご覧下さい。 LWN は、これが根本的に不誠実な試みではないと結論付けなければなりませんでした。 けれども、近い将来の Linux には、あまり当てはまらないでしょう。 結局、Linux は非常に迅速に動いているので、 Microsoft の批判も素早く乗り越えてしまうでしょう。

そしてもちろん、Microsoft は最も重要な点の一つを見逃してしまっています。 「自由」ということです。 彼らはフリーソフトウェアがもたらす利益に対する回答が 用意できなかったので、この問題は取り上げなかったのでしょう。

われわれ Linux コミュニティには、差し迫って同様の文書を作成する 必要があります。 それもよく調査され、うまく書かれていなければなりません。 そして Linux(とフリーソフトウェア)を事実に基づくものにするべきでしょう。 Linux の立場は強いですが、 同様の形で示されていなければ、 どのシステムを使用するのかを決めようとしている多くの方々の 目にとまらないかもしれません。 巧くできたマーケティング資料の開発が、 Linux に必要となる時がきたのです。

(コミュニティからの他の反応もご覧下さい;

A look at Microsoft's 'Linux Myths'

Microsoft の「Linux の神話」について

(October 6, 1999)
今週、とうとう Microsoft 社は本気になりました。 そして「Linux の五つの神話」についての このページ(英語)を掲げました。しばらくの間なりをひそめていた Microsoft からの反撃が始まったようです。 これはきっと、彼らから聞こえてくる最後のものにはならないでしょう。

この文書は多くの点を指摘しており、そのうちいくつかは他の文書よりも優れています。 それでは、いくつかを見て行きましょう。

性能について:

Linux コミュニティは最新の Linux カーネル 2.2 で性能とスケーラビリティが向上したと主張していますが、いまだ Windows NT4.0 オペレーティングシステムの後塵を拝しているのは明らかです。
NT の性能の方が良いことを実際に示している 6月の PC Week のベンチマーク (英語。日本語関連記事) が引用されています。 けれども、それ以来数々の性能上の問題が発見され、修正済みであることについては 触れられていません。
※ Linux カーネル開発において現在実際に進行中の作業に関しましては、 こちらのページ(日本語)から 最近のカーネル関連記事をご参照下さい。
それらの修正のいくつかは最新の 2.2 カーネルに入り、広く一般に提供されています。 残りは 2.3 のソースツリーに残っています。 現在のところは、主流の Linux カーネルに いくつか性能上の問題があるのは事実です。

Microsoft はローエンドのハードウェアでの性能については触れていません。

また、大きく異る結果を出している 他のベンチマーク (英語。日本語)は無視しています。

Linux は x86 アーキテクチャにおいて 2G バイトまでの RAM しかサポートしていません。これに比べて、Windows NT 4.0 は 4G バイトをサポートしています。 Linux がサポートしている最大ファイルサイズは 2G バイトです。対して Windows NT 4.0 は 16 テラバイトをサポートしています。 Linux の SWAP ファイルは 128 MB に制限されています。 加えて、Linux は Windows NT 4.0 が導入した非同期 I/O, completion ports, 細かいカーネルロックのような、数多くの新しい OS の機能をサポートしていません。
Linux でも、パッチを適用すれば 4GB の RAM をサポートすることができます。 このパッチには商用サポートがあります。 ファイルサイズの制限は (32 ビットのシステムでは) 事実で、 これは少々やっかいな問題です。2.4 カーネルでも修正されません。 スワップファイルの制限についての主張は、2.2.0 の時点でも、単純に間違いです。 (それ以前のバージョンでも複数のスワップファイルを使うことができました。) 非同期 I/O については現在作業が進行中ですが、 今でもスレッドによって解決することができます。 completion ports のような他のアプローチについては、 本当に良好な性能を示すのかどうかについて、意見の相違があります。
※ 非同期 I/O - バッファリングされていない I/O 処理では一つの read/write の要求はそれが完了するまで待たされます。この間要求を出したプロセスはカーネルによってスリープさせられますから、他の仕事は出来なくなります。非同期 I/O では read/write 要求はそれが完了するのを待たずに直ちに復帰します。一般に非同期 I/O を使うのは非常に難しいプログラミングになるので、最近ではより簡単な代替策としてマルチスレッドが良く利用されます。

※ completion ports - マイクロカーネルの通信プリミティブである「ポート」を非同期的に使用するための機能です。すぐに完了しない送信や受信を待たずに復帰し、後で別のポートに完了を通知してもらいます。

カーネル内ロックは細かい単位で行われるようになりつつありますが、 この方法でどこまで安全に達成できるかについては限界があります。
※ 現行の Linux のように、既存のアーキテクチャを大きく変えずにカーネル内にたくさんの細かいロックを導入することは、カーネルのデバッグをより困難にします。もしどこかでロックする事や解除を忘れると、たちまち厄介なバグの原因となります。このため、より良好なスケーラビリティを追求する場合 Windows NT が採用しているマイクロカーネルのようなまったく異るアーキテクチャを使用するほうが有利であるかもしれません。
Linux コミュニティは大規模な SMP と性能向上を約束し続けています。 彼らはそれを 1996 年の 2.0 カーネルの開発時から約束し続けてきました。 スケーラブルなシステムを提供するのは複雑な仕事です。 そして Linux コミュニティがこの課題を容易に、素早く解決できるかについては 明らかではありません。
2.2 には多くの改良がなされました。 2.4 では、さらに多くの改良がもたらされるでしょう。
※ Linux カーネル開発において現在実際に進行中の作業に関しましては、 こちらのページ(日本語)から 最近のカーネル関連記事をご参照下さい。
Linux コミュニティは Linux がスケーラブルで信頼性のある OS だと好んで話しますが、まだ実世界でのデータや測定結果はありませんし、この主張を裏付ける証言をする顧客は限られています。
膨大な数の高姿勢な Linux ベースのウェブサイトがあることを考えると、 これは少し奇妙です。
Linux には商用に耐える品質のジャーナリングファイルシステムがありません。
本当です - 今のところは。 しかし、 Linux では、まもなく、そのようなファイルシステムを 3つも 使えるようになる予定です。
※ Linux カーネル開発において現在実際に進行中の作業に関しましては、 こちらのページ(日本語)から 最近のカーネル関連記事をご参照下さい。
Microsoft はまた、 Linux における高可用性とクラスターは「成熟していない」 と主張しています。これはある程度根拠のあることです。 けれども、Linux のクラスターが多くの状況で非常に成功していることも また事実です。
Linux コミュニティは Linux が無料あるいは低価格であると主張しています。 ライセンス料は、顧客の全体的な意志決定プロセスの ほんの小さな一部であることを理解するのは重要なことです。
Linux のフリー(「フリー」ビールという意味(日本語)での) であるという面は注目せずにはおけませんが、 これが最も重要な特徴というわけでは決してありません。 とはいっても、重要な点ではあります。 けれども直接的なコストを削減する、ということだけではなく、 「フリー」であるということは、プロプライエタリなソフトウェアのライセンス とつき合う際の(大変な)苦労もなくすことができる、という意味もあります。 Microsoft は NT の低い TCO を主張していますが、 これは大勢のシステム管理者とネットワーク管理者の経験に反しています。
※ TCO (Total Cost of Ownership) - その製品を所有し、それを使用して行く際に必要となる全てのコスト。

もちろん Microsoft は、「自由」についての問題は完全に無視しています。 これについての回答を彼らは持っていないからです。

オープンソースなプロジェクトとしての Linux 、というまさに定義は、 Red Hat 等の企業はそのサービスに課金することでお金を稼ぐということ を意味します。 このため、Linux の商用サポートは料金ベースになるでしょうし、 非常に高価になる傾向があるでしょう。
そうですね、、、Windows NT の素晴らしい無料サポートサービスとは反対に、、、
Linux は Windows NT に比べてよりリスクの高い選択肢です。
これは何年も遅れた NT のことでしょうか? 3 千万行以上の新規コードが入ったもののことでしょうか? 私達の多くには NT はかなりリスキーに思えますが。
すべてのシステムはセキュリティ問題に対して脆弱です。 しかし、Linux がオリジナルの UNIX の実装と同じセキュリティモデル を使っていることに気をつけるのは重要です。 これは、そもそもセキュリティを考えて設計されていないモデルです。
Windows は --- NT でさえも --- マルチユーザ環境で、 個々のユーザ --- とプログラム--- をお互いに保護するようには 設計されていないと言うこともできるかもしれません。
Linux のセキュリティは「すべてか無か」です。 管理者はその管理権限を委譲できません。 なんらかの管理権限を必要とするユーザは、完璧な管理者である必要があります。 これは最も重要なセキュリティ上のセオリーに違反しています。
これはいくらか正しいです。
※ 実際に大規模な分散管理環境の面倒を見ることを考えると、 そうでもないです (英語。「Microsoft myths, correction/addition」という Subject の読者からの投稿。)というご指摘もあります。
「スーパーユーザー」モデルは多くの問題を抱えています。 そして sudo のようなユティリティは、 このモデルによって必要とされる、もろい仕掛です。
※ sudo - 特定のユーザに特定のコマンドだけを、特定の権限で実行出来るようにするプログラムです。
Linux カーネルでは、 細かい単位での特権のようなものを提供する 「ケイパビリティ」のサポートが進められています。 ただし、エンドユーザレベルでのケイパビリティのサポートには しばらく時間がかかるでしょう。 また、ACL(アクセスコントロールリスト)も開発中で、 現在テスト段階に入っています。
Linux のシステム管理者は、多くの時間を最新の Linux のバグを理解し、 それをどうするかを決めるのに費さなければなりません。 セキュリティ問題が報告され、修正される際に中心となる場所が存在しないため、 これは厄介な仕事になります。
確かに Linux のシステム管理者は、 使用しているディストリビューションのセキュリティアナウンスを行う メーリングリストに登録して、 アップデートされたパッケージがリリースされたらそれを適用しなければなりません。 アップデートするシステムの数が多いと、無視できない時間がかかりますが、 これは NT の「サービスパック」でも同様です。 Microsoft は(※バグが修正されるまでの) ターンアラウンド時間の違いについてはまったく触れていません。 Linux のバグの方が、はるかに短い時間で修正されます。

セキュリティ問題を監視するための中心となる場所については、 僭越ながら LWN のセキュリティページをお勧めしたいと思います。

デスクトップ OS としての Linux はまったく意味がありません。 ユーザはアプリケーションの少なさのために行き詰まってしまうでしょう。しかもそれは使うにも管理するにもより複雑で、直観的ではありません。
(※ 特に英語圏では) 多くのユーザが Linux デスクトップは最も実用的だと発見しています。 そして新しいシステムがリリースされる度に、さらに多くの方がそうなるでしょう。 重要なのは、アプリケーションの数ではありません。 ユーザが必要とする特にそのアプリケーションがあるかどうかに意味があります。 一部のユーザにとっては、Linux はより良いデスクトップになるでしょうし、 他の方にとっては「意味が無い」でしょう。


このように、Microsoft の文書は、部分的には真実であり、 そうではないところもあります。 全体においてはなはだしく不正直だというわけではありません。 これから努力が必要な点が指摘されています。 けれどもその中で、解決に向けての努力が始まっていないものはあまりありません。 Linux の世界での開発ペースからすると、 すぐに Microsoft の文書はすたれていくでしょう。

--jc

この文書を改善するにあたって助言をいただいた Lenz Grimmer 氏、Andi Kleen 氏、Raymond Ingles 氏に感謝致します。

A look at Microsoft's 'Linux Myths'
プレスの反応はどうだったのでしょうか?

ということですが(大方は)、 残念ながら、 ZDNet (UK) には、 重要に受け止めた記事が見られました。

日本のプレスでは、ASCII(日本語)がこの件に関する記事を掲載しています。


その後発行されたプレス記事です。(10/12 追加) (速報(日本語。ChangeLog)でお伝えした記事の日本版などです。)

いずれも、「Linux の神話」を鵜呑みにしているのではないようです。

  • ZD Net にこの件が取り上げられて(英語。日本語)います。(原文記事 10/08)

    「Microsoftの主張の一部,例えば同社が両OSのコストを比較したことは,かなり理解に苦しむ。無料のもの(Linux)と1コピー当たり数百ドルのもの(NT)を比較する? Microsoftは,金額面に関するかぎり,所有者側のトータルコストを比較するのが正しいと述べる。だがその方面でもNTが勝つかどうかは疑わしい。」

  • Wired News でも、Microsoft の攻撃が 取り上げられて(英語。日本語)います。(原文記事 10/08)

    「Linuxをこきおろそうと熱心なあまり、ときおり筆が滑っている個所も見受けられる。たとえば、同社はLinuxには USB(ユニバーサル・シリアル・バス)やプラグ・アンド・プレイ、パワーマネージメントのサポートがないことを指摘しているが、これらの機能が、ウィンドウズNTでもやはりネイティブではサポートされていないことに言及していない。また、Linuxのセキュリティーの欠如を批判しているが、米国陸軍が最近、NTは十分安全ではないという理由でNTサーバーからマック・サーバーに切り替えたことには口をつぐんでいる。」
  • 「Linux の神話」文書が、VNUNet.fr で 取り上げられて(フランス語。Babelfish 英訳)います。(10/11)

    「とにかくこの文書は、Microsoft が Linux の脅威を真剣に受け止めていることの証明だ。」

  • Microsoft の「Linux の神話」文書が Seattle Times 誌に 取り上げられて(英語)います。(10/11)

    「どうやら Microsoft を少しばかり猜疑的にならしめているペンギンがいるようです。」

最後に、余力のある方は、 以前から作成されていた Linux に関する 10 の神話 (英語。ただし、ほとんどスクリーンショットです。 --- なお "OS Wars" に出ている方々は、左から Alan、Linus、ESR、RMS と思われます。 後ろで目を光らせていらっしゃるのは Bob Young 氏、、、ではないでしょう ^^;) も是非ご覧(お楽しみ)下さい。

A look at Microsoft's 'Linux Myths'

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